アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「日曜美術館30年展」。2006.9.9〜10.15。東京藝術大学大学美術館。

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日曜美術館30年展」。2006.9.9〜10.15。東京藝術大学大学美術館。

2006年10月5日。

 招待券をいただいたし、NHKの「日曜美術館」をけっこう見ているし、高橋由一の鮭も見られるし、だから、出かけた。この頃は早めに起きて、義母がデイサービスに行っている間に出かけて、午後3時頃に帰ってくる、というスケジュールで動いていた。平日。上野駅から少し歩く。まだ着かない、と思った頃に着いた。

 新しく、きれいな美術館。それにしても、学校に美術館があるなんて、ぜいたくな事だと思ったりもした。

 

高橋由一。「鮭」。

 思ったよりも小さく、でも、なんだか変だった。橋本治の文章に影響されすぎているのかもしれないけれど、でも、なにかを感じた。西洋にスゴくあこがれているのだろうけれど、自分にウソが少ない感じ…こう書いていて、そんなに簡単なことか…と思ったりもする。それでも、考えてみれば、なんで、新巻サケ、それも食べている途中のものを描いたんだろう?と思うが、それを描く対象に選んだことへ迷いのなさ、みたいなものまで感じられた。

 

 田中一村。エッジがきいていて、テレビで見た時よりもきれいだった。

 テレビ番組「日曜美術館」の時のビデオが流れていた。実物があるのに、そういう映像が流れているのは、改めてちょっと不思議な感じがした。

 岡本太郎もあった。

 ジョルジュ・ルオーもあった。信じている人間のすごさ、みたいなものがあった。

 小泉清。ラフカディオハーンの息子らしいが、結婚に反対され、家を飛び出し、最終的に精神のバランスを崩し…というプロフィールがあり、どうしてもいろいろなことを考えてしまうが、絵が、そうした事情も含んでいるようにも思えた。

 いろいろな作品を見ることができた。

 

 学食で食事をした。ガラスばりのきれいな場所で、華やかで、うらやましかった。キャンパス、という感じがした。

 午前中から、午後にかけて、少しあせった時間の使い方ではあったけれど、出かけてよかった。

 

 

(2006年の時の記録です。多少の加筆・修正はしています)。

 

www.geidai.ac.jp