2006年10月5日。
招待券をいただいたし、NHKの「日曜美術館」をけっこう見ているし、高橋由一の鮭も見られるし、だから、出かけた。この頃は早めに起きて、義母がデイサービスに行っている間に出かけて、午後3時頃に帰ってくる、というスケジュールで動いていた。平日。上野駅から少し歩く。まだ着かない、と思った頃に着いた。
新しく、きれいな美術館。それにしても、学校に美術館があるなんて、ぜいたくな事だと思ったりもした。
高橋由一。「鮭」。
思ったよりも小さく、でも、なんだか変だった。橋本治の文章に影響されすぎているのかもしれないけれど、でも、なにかを感じた。西洋にスゴくあこがれているのだろうけれど、自分にウソが少ない感じ…こう書いていて、そんなに簡単なことか…と思ったりもする。それでも、考えてみれば、なんで、新巻サケ、それも食べている途中のものを描いたんだろう?と思うが、それを描く対象に選んだことへ迷いのなさ、みたいなものまで感じられた。
田中一村。エッジがきいていて、テレビで見た時よりもきれいだった。
テレビ番組「日曜美術館」の時のビデオが流れていた。実物があるのに、そういう映像が流れているのは、改めてちょっと不思議な感じがした。
岡本太郎もあった。
ジョルジュ・ルオーもあった。信じている人間のすごさ、みたいなものがあった。
小泉清。ラフカディオハーンの息子らしいが、結婚に反対され、家を飛び出し、最終的に精神のバランスを崩し…というプロフィールがあり、どうしてもいろいろなことを考えてしまうが、絵が、そうした事情も含んでいるようにも思えた。
いろいろな作品を見ることができた。
学食で食事をした。ガラスばりのきれいな場所で、華やかで、うらやましかった。キャンパス、という感じがした。
午前中から、午後にかけて、少しあせった時間の使い方ではあったけれど、出かけてよかった。
(2006年の時の記録です。多少の加筆・修正はしています)。