2014年1月20日。
近所の志の高いギャラリーの方にいただいた招待入場券を生かそうと、ドマーニ展に出かける。
駅に着いたら、久しぶりの美術館で、駅から直結で、出来たばかりはとてもキラキラしていたような気がしたが、何年かたっただけで、もう落ち着いているというか、すでに古びた空気になっていた感じがするのは、自分の好みだけの問題なのかもしれない。
最初の部屋。大栗恵。写真。きれいで、そして窓について理由というか説明があるけれど、全体としてちょっとナルシスティックな感じが強くて、やや気持ちがひいたけど、きれいな写真ではあった。
小笠原美環。窓や部屋の絵。何も描いていないような気持ちにもなるが、見ていると、長い時間見ていたくなる。広がりとか、人の気配を描こうとしているのかな、などとも思うが、そんな事より変な居心地によさを感じた。
川上りえ。鉄というか、針金を使ったようなやや粗く作って手作り感が出ているどこか絵にも見えるような形で、天井から下がっている立体は気持ちが少しなごんでくるようなところもあった。
建築家スペースというのがあって、43人のこれまで海外へ研修にいった人達が、それも建築関係の人に声をかけたらかなり多くの人が参加するから、ブースでおこなうという事になっていたが、建築への知識の足りなさのせいか、正直それほど印象には残らなかった。
大野由美子。パズルが床に作られている。そこに乗ってもいい、ということなので、裸足はダメだけど靴は脱いで、と書いてあって、ハダシはダメなんだ、と思って、歩いたらけっこう固くてそれは床の固さだろうし、上を歩いても、もっと何かがあると思うのは、こちらの勝手な願望なのだろうと思った。
榊原澄人。巨大なアニメ。人類とか人生とか、その不条理な感じとか、争いとか、不幸な出来事とか、そんな事はなくならないんだ、とか、自分も死んでいくんだ、などと重い気持ちになって、おそらくそのあとに微妙にゆううつになったのかもしれない。
吉本直子。古い白いシャツをおそらく何千とかのレベルで集めて加工したり、壁をうめつくしたり、それを見ていると、人が着たものでもあるので、なんとなくいろいろな感情がわいてくる。
見終わって、全体で完成度がある程度以上高いものの、すごく気持ちに刺さるというか、入り込んでくるような感じがあまりなかったのは、自分の問題なのかもしれなかった。
(2014年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。