2000年11月25日。
鉄を鉄のまま、というよりも、粗い仕上げだからそれでかえって柔らかさを出している太い鉄棒を組み合わせて、空間に作品を広げている。特に部屋いっぱいに広がる作品は、ほとんど人もいないし、雨の中にいるようで、気持ちよかった。
その中で玉子のような立体を鉄に針金でたくさん結びつけている作品があった。妻が、今日は作者がいる日だったので、どうしてもっとボンドとか表面に出ないもので、つけなかったんですか?と聞いた。「それは、たとえば、ボンドとかでつけたりするのが嫌なんです」。そういう作っていく過程で、ただきれいに仕上げるだけでは、どうしてもイヤみたいな言い方が、思ったよりも強かった。これまでも、そんなことを言われ続けたのかもしれない。でも、そういう感情的になる方が信用できる。戦ってきたんだな、という感じもした。
(2000年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。