2014年5月10日。
いろいろな予定が、仕事もしてなくても細かくあって、なんだか少しイライラもしたりして、また落とされるだけなのに面接があって、というような気持ちにもなっていて、どうしても前向きとかには遠い感じだったけれど、それでも、このアニュアルは、最初の年から行っていて、それは介護生活に入った頃で、新鮮にいいと思ったことも多く、だから毎回行くようになり、途中で中断もあったものの、第13回目になるらしいが、欠かさず見て来たから、できたら今年も行きたかった。
ホームページで吉田夏奈がトークショーをやると知って、作品も面白かったけど、ラジオで聞いたトークが良かったので、妻に尋ねたら行くと答えたので、昨日から義母がショートステイに入っている事もあり、そんなに時間を気にすることなく出かけられる。
久しぶりに東京駅からバスに乗って美術館前のバス停で降りる。いつも、もっと便利だったらもっとうれしいのに、という話をする。入ってから、係の人にトークショーのことを聞いたら、その時刻になったらエスカレーターが動きますので、みたいなちょっと秘密めいた事を言うけれど、その時間まではまだ30分以上あるので、まずは展示を見ようと思い、入場券を買い、ロッカーに荷物を入れて、細いエスカレーターに乗り、展示室へ。
最初はゴミを集めて作ったのかな、と思ったら軽石を削って細かい彫刻のように仕上げたり、こけが生えている所で迷路を作って撮影したり、トランプに刺繍をしたり、と精密作業の作品が並んでいた。それも、スタッフに聞いたら、姉妹で、しかも双子の作家らしい。安い吸盤に細く彫り込んだ模様を入れてあって、豪華なもののように見えたりしている。双子が製作しているのか、と思ったら、ちょっと不思議な気持ちにもなる。高田安規子・政子。プロフィールを見たら、美大に通っているが、違う大学だったが、海外へは同じ修士課程をとっている。
映像作品。富永亮。勝手な感想だけど、もっと情報量が多いほうが楽しかった気がした。
青田真也。あとで見たら、横浜での「オン/オフ展」にも出していた。プラスチックやガラスの容器に紙ヤスリで磨き、ざらついた不思議な質感を作っている作品。
福田尚代。けしごむの辺だけを残して削って彫刻作品のようにしてみたり、原稿用紙のマスメだけ残して切ったりと、少し高田姉妹の作品と重なる。
吉田夏奈。壁に森を立体にした作品が垂直にいくつもある。森の絵がある。斜めになった壁に、吉田本人が公開制作をしているが、昨日と今日らしいから、11日に会期が終る直前に手を加えていることになる。
ポテトインテリアと名付けられた作品。それは地層をテーマにしたもの。森や島や、今度は地球の質感のようなものまで作品にしようしているが、トークショーを聞いたあとだと、本人はいつも体感したものを形にしようとしていて、好感も持てるし、きれいでもあるし、その部屋は気持ちもよかった。これから、どうしたらいいんでしょう?みたいな事をトークショーでも言っていたが、これからアリとか鳥の視点みたいなことも含めて、この世の中のことを伝えてくれるんだろうな、と思えた。トークショーも1時間、ほぼ一人で話して、率直で興味深い話でもあり、ありがたかった。展示を見て、トークショーを見て、また展示に戻って来た。
パラモデル。いろいろなものを組見合わせて、つなげている。地下鉄の構内図をつなぎあわせていて、それが壁いっぱいに広がる作品。
美術館の外には、高田姉妹のさりげなく、壁に模様をつけたり、石畳を市松模様にしたり、という作品まであった。
すごく楽しめた。
ぜいたくな一日になった。
(2014年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。
「MOTアニュアル 2014」
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot2014/