アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

日比野克彦 個展。「ひとはなぜ絵を描くのか」。2010.10.30~12.13。アーツ千代田3331

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日比野克彦 個展。「ひとはなぜ絵を描くのか」。2010.10.30~12.13。アーツ千代田3331

2010年12月9日。

 本当に久しぶりに妻と一緒にアートに出かけた。廃校になった小学校をギャラリーにした、という場所があって、末広町という場所に出来た、という事をどこかで知っていたけれど、場所がちょっと遠いし、やっているテーマがそれほど興味がなかったりするので、行かなかったし、他のアーティストの展覧会に行きたいとか、それで行けなかったり、の繰り返しだった。

 

 自分の生活も、本当に無駄と思えるような、いろいろな焦りばかりで、それが嫌にもなっていた。だけど、それは、最近は仕事で忙しくて、というような言い訳をする人間と変らないな、という気持ちにもなりながら、アートには出かけようと思った。

 

 ゴタゴタとした1週間の中で、久々に休みの木曜日に、秋葉原から歩いてギャラリーに向かうと、学校の中にあった。日比野克彦展は、水戸で見て以来だから、けっこうな時間がたつけれど、その間もテレビで海外に出かけていろいろと描いている姿を見ているから、久しぶりという感じもしなかった。Tシャツがけっこうよくて、買おうと思ったけれど、とりあえず展覧会を見てからと思って中に入る。

 

 きっちりと白い部屋になっている中に日比野の作品が並ぶ。いろいろな国で描いたものは、どれも日比野の感じになっているように思えた。エジプトで描いたものが素朴にもなりすぎず、技巧的にもならず、ちょうどいい感じでよかったが、フランスかどこかのホテルで、こもりっきりになって描き続けていた絵が並んで、その時の事まで文章になって壁にあって、創作の途中の感じとか、ピークが来て、そして去って行く感じとか、本当に理性的な人なんだ、それが自分でも嫌なのかもしれない、とか勝手な事を思いつつ、絵を見て、ゆっくり出来て何か気持ちが少し落ち着いたものになったのも事実だった。

 

 それから会場を出て、Tシャツのサイズを確認したら自分のサイズは売り切れていて、残念だけどあきらめて、そこの中のカフェで食事をして外をながめながら食べていたらとても気持ちがよかった。中のギャラリーも見て、ソフトをなめながら帰った。

 

 

(2010年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

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