2005年5月3日。
3月末に、ゲイサイを見に行き、それから、母の病気の再発が分り、すでに、そのまま何も出来ない時間が流れて行き、もうみんなと集まることも出来ないかも、と思い、鎌倉へ行った。全部で8人になった。
病気の合間、だけど、確実に病気は進んでいる。だけど、と言って、その後に何が言いたいか分らなくなったりもする。
それでも、鎌倉へみんなで集まれると楽しかった。
鎌倉へ行く前に、これは常設展に限りなく近い企画展のようで、でも、電話で常設展ですか?と尋ねると「違います」と答えが返ってきた。
岸田劉生と高橋由一のことを書いた橋本治の「ひらがな日本美術史」のコピーを前もって、みんなに送った。
岸田の麗子像って、なんか変だ、と最初から思っていて、それが一種のロリコンとか萌えに近いのかもしれないと分ってから、そして、高橋の鮭や豆腐を描いたのを知って、それはその必死な手探り感が面白いと思って、それはもしかしたら、今の自分の閉じこもった感と似ているのかもしれないけれど、でも、何か奇妙な感じまでして、興味深かった。
みんなで、空いている美術館でゆっくりと見て、あとは座って話もした。小さい子供が一人だけだったので、勝手に気を使って空回りしていた。だけど、大人の都合と子供の都合は違っていて、そして、子供の頃、自分が思っていたよりも大人も不安定だったんだな、と自分が大人になって分る。
美術館の絵はいろいろあって、でも、やっぱり色とか凄く地味だな、と思ったりもしたが、喫茶店でゆっくり出来たし、時間としてはよかった。
(2005年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。