アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「第5回国際鉄道模型コンペティション」。2004.8.20~8.22。東京ビッグサイト。

2004年8月22日。

 

 知人が、ボランティアで関わっているJAMという団体が出展するため、東京ビッグサイトへ行った。入口付近から、ゲイサイの時とは人の種類が違った。ちょっとグレーがかっているし、年令層も上だった。少し静かかもしれない。

 

 JAMのブースには行った。大きい鉄道模型が2台。カメラを取り付けて走っている。少し運転させてもらったが、粗っぽい動かし方のせいか、軽くぶつけてしまった。そのカメラは、ボールペンのキャップくらいの大きさしかないのに、わりと鮮明に像が映っている。

 

 けっこう人がいる。黙々と見つめ、そして、かがんでそばで見る。さらに立派なカメラで撮影する。そのパターンで動く人が何人かいて、そのパターンがオーソドックスなのかと思う。

 

 個人で出している人もいて、見たこともない大きさの模型列車を(Gゲージというそうだけど)アメリカの機関車というテーマで揃えていたりすると、金持ちの応接間を思い出したり、珍しく夫婦で、しかもかなり年輩の二人でブースを出したりしている人がいて、その作品は奥様の御趣味がかなり反映されている額縁のようなものであったりした。

 

 会場を見て回って、どうやら、評判がいいのは、あくまでも本物に忠実に作ってあるものらしかった。オタクの美学と似ている気がした。

 

 その中で、庭に鉄道を走らせている人は、何だか凄いと思ったし、グルグルと回転する球体に小さな模型列車が走り続けているものがあって、それはほとんど垂直になっても走り続けていて、レールと列車に特殊にマグネットが仕掛けてあるらしい。その造型なども含めて、一般に近い私達にもよかったし、詳しい人にも評判が良かったようだし、それは奇跡の作品にも思えた。頭がよくて、センスもいい人なのかもしれない。

 

 参加グループの中で、立教の中学と高校の鉄道模型部の作品が、妻も私も気に入った。それは鉄道模型は買ってきたものだけど、その周りの風景がいい意味で手作り感があふれていた、というか好きでやっている、というのが分って、なおかつ、少し造型的には崩れているのだが、妙に美しいというものだった。それは、アート寄りのものだった。

 鉄道模型に詳しい人には、あまり評判が良くなかった。

 

 ここには工芸魂があふれているかと、思った。

 よく出来てる。

 本物そっくり。 

 

 女性が、鉄道模型に使われる樹木のパターンが少ないという不満を言っているのを聞いたが、多数派は、鉄道には力を注いでも、その周りには、あまり関心がない、というように思えた。

 

 何だか、美学というものについて考えたが、鉄道マニア、と言われる人達のたたずまいは、20年前からあまり変わっていなかった、と思えた。

 会場の中で、山の手線の駅名がピンバッチになったのを、ガチャガチャで2つ買った。

 

 

(2004年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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