2000年4月15日
表参道のスパイラル。
ホールを使って、若いアーチストを中心に紹介し、というイベント。
中に入ると、その一個、一個のブースが狭く、人も多くすぐ後悔する。
そのブースに入ろうとすると、中にその作家本人がいて、私が!という押してくる熱気と積極性が突き刺さって、すぐに一歩引いて、次に向かってしまう。
それを繰り返していたら、あっと言う間に、全部を回ってしまった。
中で気になったのは、バナナに黙々と絵を書いていたのと、歯医者という字が書いてあって、そこにボクシングでノックアウトされている歯医者がいるようなイラストを版画で描いている人間。それから、だれでもピカソでも見た女性アーチスト。彼女は、そっと後ろに来て、「誰か知り合いの方がいらっしゃるんですか?」と話しかけられるまで、気がつかず、気がつかなかったことにショックな反面、その独特の気配が気になったりもした。ただ、それだけ、その場に積極性な気配にあたったんだと思う。
その点、妻は素直に見て、素直に感心し、それに作家も話しかけ、正しく楽しんで、しかも集中していた。そのおかげで、一度は通り過ぎたブースで、おっ⋯と思えたりして、改めて有りがたいと思ったし、こういった場所に、妻はいい意味でしっくりくるんだな、と思った。
(2000年の時の記録です。多少の修正・加筆をしています)。