アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

イケムラレイコ ME ZA ME。2009.10.10~11.21。シュウゴアーツ。

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イケムラレイコ ME ZA ME。2009.10.10~11.21。
シュウゴアーツ。

2009年10月31日。

 

 もう10年近く前になるけれど、妻が豊田市立美術館で見てから、イケムラレイコが好きになったらしく、見られる時はグループ展などでも行くようになった。今回は、シュウゴアーツ、という、前も行ったはずの小山登美夫ギャラリーと同じ倉庫のような古いビルの中のギャラリーで個展をやっているので秋葉原からバスに乗った。何年か前に同じバス停に来たのを思い出し、近くのおにぎり屋でおにぎりを買い、コンビニでなぜか愛想のよくない店員がいて、でも、昼食のしたくをしてバスに乗った。動くバスの中では、ペットボトルを置いておけるようなものがあったら、本当に助かるから、次は、そういうグッズを持ってこようかと思ったけど、妻と二人いるから交互に持って、妻はおにぎりを私はパンを食べた。後ろでは、2人の若い女性がずっと声優の話をしていた。約20分でバス停に着いた。前も来たことがあるはずなのに、また少し迷った。

 

 すごくオシャレすぎるくらいの若い夫婦が小さい子供をベビーカーに乗せて、エレベーターが一緒になった。荷物運搬専用のものみたいで、古く大きいビルには似合っていたけど、降りてから必ず「閉」を外で押してドアを閉めないと、次に動かないみたいで、必ず押してください、と注意書きが書いてあって、それも前来た時と変わらないのを、見た時に思い出した。5階で降りた。土曜日のせいか、こういう工場地帯みたいなところなのに人がバラバラとだけど、何人も来ている。

 

 「めざめ」という文字がギャラリーの入り口の壁に書いてある。見落としようながないような大きさ。その壁を回り込むように入っていくと、その裏にまず赤を基調とした絵がある。ぼんやりしているような、でも妻は優しい感じがする、と言っていたが、そして、朝の湖があって、その周りには女性がいたり白鳥がいたり、山が眠っていたり、と薄く描かれていて、それはところどころキャンパスの地の部分の質感がそのままあらわれているくらいうす塗りだけど、時々、薄いけどハッキリと明るい光が確かにそこにあるようにも思える。この人は、繊細というよりは、大胆な感じがする。こうして描いて、そして、自信が揺らがない感じがする。もう少しこうしないと、伝わらないかもしれない、というような不安をあまり感じない。元々なのか、試行錯誤を無数にしてきた結果なのか分らないけど、すっと薄くても色を塗り、それで迷いがない感じがする。それでいて、なんだか静かに美しいと思う。

 

 カタログが置いてあって、各地で行った個展の事ものっていて、けっこう作品もあるから、もっとまとめて大規模な個展を東京都現代美術館で見たい、と思ったりもした。今回は、立体というか彫刻が1つあったけど、それはこれまで見たシリアスな気配ではなく、どちらかといえば「かわいい」と言われてしまいそうなものだった。

 

 他にもそのビルにあるギャラリーの作品を見て回った。でも、見終わってみると、イケムラレイコの作品を目標に今日は来たせいもあるけど、イケムラレイコの作品の印象が残っている。

 

 帰りは、昨日インターネットで見つけた清澄白河駅のそばのカフェに行こうと思った。前に若い女性がいて、遠慮がちにその店に入って行ったら、それでちょうど満席だった。すごく残念だった。その前に家に、デイサービスに預けた義母の様子が気になって、留守番電話の確認をしたせいだと後で思った。ちょっとした差だった、と言っても仕方がないけど、残念だった。

 

 そこから半蔵門線に乗り、渋谷で乗り換えて、地元の駅に着いてからマクドナルドでコーヒーとマロンのマックフルーリーを妻と食べた。今年は多摩川アートラインは、やらないみたいだ。このままなくなってしまったら、やっぱりちょっと悲しい。

 

(2009年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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