2013年5月6日。
もう10年くらい前に見た時は、本当に心に染み込むようだった。暗くて、すすけているようで、でも鮮やかで、他ではあまり見ないような暗い画面が、とてもよくて、すごくいいと思ったので、また個展をやる時は見たいと思い続けていて、少し前にゲルハルト・リヒターをやった、六本木のギャラリーでやるので、映画「めめめのくらげ」を見たあとに、寄った。
いくつか並ぶ絵。グレイのような、ブラックのような、ブルーのような、独特としか言えないような、色合いは変わらなく思えた。どこか不吉さがあるような画面構成も健在に思えたが、前にオペラシティーで見た時の、心に直接、少し暴力的に届くような感じと、自分の感覚に対してそれほど信じていないから、狙う効果を、環境に気を配って作り上げることで、可能にしたような、そんな恐さも感じる頭の良さも、今回は、それほどは感じなかった。
Spillという意味は、こぼすとか、殺傷するとか、秘密を漏らすとか、そういう少し引っかかりのある意味で、英語が母国語だったら、また違うことを思うのかもしれないが、何しろ、そんなにはピンとはこなかったと思う。それでも、個展があったら、また見に行くとも思った。
(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。