アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

柳本悠花 個展「さまよう むこうがわ」。2017.5.19~6.4。ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ。

chaosxlounge.com

 

2017年5月30日。

 横浜から、こちらへ寄る。五反田から歩いた。

 

 声が聞こえる。作品は、いわきで見た時に、ぬいぐるみ、と言うラブリーな形で作られているのに、神社とか、池とか、一般的には題材にしないものをしていて、それが不思議でもあった。

 

 その柳本は、鏡と組み合わせたり、糸で文字を書いたり、今はない防波堤をぬいぐるみで作ったり、そして、どうやら大学の卒業制作らしいタクシーの上の灯(?)をフェルトで作られていて、それが10種類くらい並んでいるのは、どれも見た事がないから、それは作家の地元のタクシー会社らしい。これが並んでいたら、それは変ったものとして感じるだろうけど、こういうものは、誰かが作りそうだけど、何を作るか、に対して必然性みたいなものがあって、説得力があるのかもしれない。ポップアートにも、確かにあった形式だけど、なんでだか、とても違う感触がある。

 

 アトリエには誰もいなくて、黒瀬陽平が電話をする声と、梅沢和木に値段入りのリーフレットを渡してもらい、少しゆっくりと見た。何も買わずに申し訳なかったのだけど、コースターは買おうかどうか迷った。

 場所があるというのは、強い。そして、ずっと展覧会を続けているのも、すごい。この蓄積はとんでもない成果を生み出すと思った。

 

 

(2017年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。