ここのところ、中国の現代アートを2回見た。最初は、キリンアートスペース原宿の「不易流行」。
もう一つは、外苑前のワタリウム美術館。「中国現代美術展」。
印象が強かったのは、大きな顔で強い視線で見つめてくる写真。それに、出産のために1年間家にこもっていたアーティストが、800個の中国製の日用品に白い綿のひもをびっしりと巻き付けたオブジェ。それから、ワタリウムの前で全裸でパフォーマンスを行った作家。
原宿の時もそうだったが、ワタリウムの作品群も生々しいというか、ストレートというか、熱気にあふれているというか、エネルギーが強いというか、温度が高いという印象が共通していた。
やはり、昔の作品の印象が強いのは、知らないうちに西洋アートの価値観に取り込まれているのかもしれない。ただ、あれだけいろいろ規制がありそうな状況でもアーティストは作品を作るんだというのは、改めて確認できたような気もする。
裸でパフォーマンスを行った作家は、中国では自分の体に蜂蜜を塗って公衆便所に座り、たくさんの蠅が寄ってくるというパフォーマンスで注目を集めたというが、どこかで見たような気がしていたら世田谷美術館で作品を見たアーティストと共同で作品を作ったりしていた。
これからの中国のアートの歩みがもしかしたら、現代アートのこれからが、より分かるかもしれないと考えたりもしたが、その後“中国現代アート”をテーマにした展覧会は、知らないだけかもしれないけれど、あまり行われていないし見たこともない。
(1997年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。