2018年7月21日。
カオスラウンジのホームページで見つけて、大田区だし、一時間くらいで行けるし、ヤミ市といった言葉や、現代美術そのものがディシャンからこっちはゲームだったり、魔法だったりしていて、だけど、その魔法の現場がない。ゴミがアートに変わる瞬間を知らない、だから、ヤミ市をする、といった文章がとても魅力的で、何か新しいことをしようとしているのは分かったものの、妻を誘っても難しいかも、と思ったら、あっさり一緒に行けることになった。
起きる時刻は木曜日と同じ、いつもよりは早い時間。前日の感じは違うのは、やっぱり仕事でないからで、ツイッターなどで、バスで行った方がいい、という情報を得て、暑い中で歩くと、妻の体力の消耗が激しそうなので、いろいろと準備をして、出かける。妻に昼食の準備もしてもらったりして、気持ちは遠足だったが、外へ出たら、ホントに暑かった。すごく攻撃的な温度で、それは、これまでにもあまり、というか、ほとんど経験のないレベルだと改めて感じる。
大森駅までへ電車。東口でバス停を探したら、9カ所くらいあって、前もって調べないと、分からないくらいだったが、待っていたバス停の先が、ボートレース場に行くバスで、小走りするおじさんが何人もいて、暑さは関係ないんだ、と思った。
バスに乗って、初めての場所。工場ばかりのところ、人がたくさんいるはずなのに、人の気配がない。バスの中で食事をして、ゆられて、海が見えて、おーっと思って、そして、そのバス停でいいのかどうか、という不安を抱えながら、目的のバス停で降りて、わりと近いところにあった。
中は、思ったよりも狭くて、ゴミ感があり、妻はフリーマーケットをイメージしていたらしくて、明らかにひいていた。その中で弓指寛治氏は、ブースを作りこみ、作品も力強くどうやら新作らしく、ゴミではなく、作品としてあったのだけど、値段も4万円以上なので、金額に応相談とあったのだけど、買えないと思って、自分の稼ぎの少なさが恥ずかしかった。
1000円でひもをひく、くじで、風船に入ったバッジをもらったが、その中央本線画廊は次の展開もあって、小さいクルマで、このあたりで移動販売をしていて、という展開はケイタイをもっていないと、だめそうだったけど、それでも、カオスラウンジのブースがあって、私にとってはスターでもある梅沢和木と藤城嘘が並んでいて、本人がいたので、2000円で作品集を買ったりもした。
飯島モトハルのブースで、パレットがわりに使っているアルミはく?を切り取ったものがかっこよくて600円で買った。もっと買いたかったけど、もう一度、会場を回ったら、作家に話かけられたら、パープルームの吉田十七歳、という人だった。自分が泣いている写真を紙にプリントしていて、何十枚も並べている。絵があるが、不思議なくっきり感があり、話をしていて、頭がいい、というか知性的な方向の感じがする、という話をしたら、バーネットニューマンという名前が出て、あの抽象主義表現の代表みたいな人を参照にしているとは思わなかったし、この時代に、十七歳と名乗る20代の人から聞くとは思わなかったが、今月に、また展覧会があるらしい。
一時間ほどで、会場をあとにして、バスに乗り、帰って行った。だんだん、日常に戻る感じ。本当に遠足みたいだった。普段は行かないような、新しい場所に行けて、私は機嫌がよかったが、妻はちょっと気持ちがひけていたようだった。
(2018年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。