2014年8月30日。
顔見知りに券をいただいた。ありがたかったけど、日本画にはあまり興味がないし、とも思ったが普段は行かないところだから、と思い直して妻と出かける。
立派な場所。ホテルの地下。着物を着た豊かそうな方々も多い。香水のかおり。日本画というのが、エネルギーを殺しているのを見ると、すべてが止まっているようで、どうしてこれが必要とされたのかはちょっと分からないが、思い出すのが、バブルの頃の話でもあったりする。
社長室に飾る絵は、高いのがいい。横山大観とか、東山魁夷とか、平山郁夫とか、そういう分かりやすい絵がいい。それまで絵や美術に関心があったわけでもないけど、恥ずかしくない絵が欲しい。そして、見て分かりやすいのがいい。といった需要に応えるという意味では、ほぼ完璧なのかもしれないが、今、まとめて見ると、伝わって来ないと思えるのは、自分のせいもあるかもしれない。
これを貫くような、それも違う視点で見られるような、そんな視点が同時にあったら違うのかもしれないが、私には、観光地の絵ハガキにしか見えない。退屈になってしまったが、不思議な気持ちになった。最後に小倉遊亀の作品があって、それは上品な婦人という注釈がしてあって、確かに外見上はそうなのだけど目に意地悪があるのをはっきりと描いてあって、いいのだろうか、と思ったが、それは本当にうまいのかもしれず、ただ、こういう不穏さがあるものが最後だというのは、何か意味があるのだろうか、などと思った。
(2014年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。