2013年10月26日。
少し気持ちが乱れて、その気持ちを持ったまま電車に乗り、駅に着く。もう夜だから暗い。一回は来たはずのギャラリーだけど、地図を見ながら歩く。ちょっと見覚えがないのは、この前と違う道を通っているけど、今回の方が近いのに、と思いながら、ちょっと歩く。
あった。
大竹伸朗は、今の時期に四国の丸亀で展覧会をやっている。行きたいけど、行けない。ニューニュー展。今回の作品は、『大竹の平面作品の近作を紹介。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館でも展示した「境界色」「配置」シリーズなど約30点』(美術手帳。2013年10月号より)、ということで、これだけだと、どういう作品か分からないが、見れば、大竹伸郎だ、と分かるはずだという確信はあって、ギャラリーにはその感じのものが並んでいた。いつもの、という気持ちにもなり、だけど、本当はいつもとは違う。飽きているか、といえば、まだ飽きるようなものでもない。色があって、中にはボール紙をただ貼っているだけにしか見えない作品もあるが、確かに作品として成立している。同じようなことをやっても、こうはならないのだけは、分かる。
ただ、全部が30センチ四方くらいの大きさのせいか、迫ってくるものが少ない。大きさだけで、そんなに差があるのか分からないものの、ただ、今は少し気持ちが乱れているかもしれない。それは、いろいろな意味で失礼だとは思う。ギャラリーは、人がいるが、事務所は少し隔てられていて、ずっとコンピューターの画面に向かっている人が2人いて、そのギャラリーに誰かが入ってきても、ほとんど関係がないようだった。自分が透明な存在に近いような感じになって、そして、また作品を見て、それから帰った。