アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画「ホドロフキーのDUNE」。監督:フランク・パヴィッチ。2014.12.20~26。早稲田松竹。

映画「ホドロフキーのDUNE」。監督:フランク・パヴィッチ。2014.12.20~26。早稲田松竹

2014年12月21日。

 「デューン」という未完の映画に関するドキュメンタリー映画

 期待していたが、人がしゃべって、が繰り返されると、眠くなった。

 

 どれだけすごかったか、という実現されなかった映画の話で、その絵コンテが実際に分厚い辞典のように残っているから、それが出来上がった時のイメージはかなり正確だと思うものの、そして、その影響は確かに後の映画にも色濃く出ているとは思うものの、やはり、この監督を使うのは勇気がいるのかもしれないと思わせたのは、このドキュメンタリーのあとに作ることになった「リアリティのダンス」を見て、「エルトポ」の変な感じと80歳を過ぎても変わらない変さで、夢のような悪夢のような、それでも生活のすぐそばの事ばかりで、確かに生きていることそのもののような感じもするけれど、だけど、筋が追えない映像という事では一緒で、なんだかすごかったからだ。

 

 実現されなかった映画の話で、これだけ引っ張るのは、面白かった。このホドルフスキーという監督は、すごい人でも魂がダメ、みたいな判断で人を選び、集めて、そして、そのあとに、そうした人達が評価もされるようになっていくのを知ると、見る目も確かだったんだ、と思うが、その映画の主役に自分の息子を起用しようとしていて、武術家の元で修行までさせて、企画がボツになったから、どこかにも書いてあったと思うけれど、息子さんが、もし実現していたら違う人生になったはず、と語るのはやっぱり重いが、実際にデビットリンチが監督した映画を見た時の話を語った時は、映画館で笑いが起こった。最初は泣きそうだったが、見続けていると、明らかに失敗作と分かって、うれしくなった、という話をした時だった。正直な人で、人が協力するのもやっぱり分かるような気もする場面でもあった。この映画がきっかけで、80歳を超えて、また、映画を作ったのだから、それも含めて意味があったのだと思う。

 

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