アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画。「ゼロ・グラビティ」。2014.2.26。109シネマズ川崎。

映画「ゼロ・グラビティyoutube

https://www.youtube.com/playlist?list=PLizFMbnOjAaXqTL_EKmLQLhNCydq6NDzA

 

2014年2月26日。

 ライムスターの宇多丸氏が、ラジオで、今、この時代に見たほうがいい、それもアイマックスという今の時点で最高の3Dで見るべき、みたいな言い方をしていて、川崎にちょうどあるので見に行きたいと思っていて、ただ時間が過ぎて、2月の末に終ってしまうので最後のチャンスだと感じ、妻と相談して行くことにした。字幕だし、たぶん気持ちがいいような映画でもないので一人で行く。

 川崎の駅のそばの大きいショッピングモールの上。最初は行かなかったのだけど、何回か行くようになったら新しいしキレイなので同じ値段ならば、と思うようになった場所にあるアイマックス

 

 さすがに空いていた。

 わりといい席。始まる前に、前の特別席かなにかの女性が変な動きをして、頭が気になるので、一つだけ席をうつった。初めての3D。変なメガネをかける。時々とると、字幕などが2重になっているのが分かる。

 

 始まると、宇宙から見る地球だった。本当に宇宙に行ったら、同じように見えるか、この映像に印象を寄せてしまうような感じ。上下や左右が分からなくなるように画面が回って行くけど、それは宇宙で作業をしながら宇宙空間にいるのだから仕方がない、みたいな気持ちになるが、この映画が始まる前に、ここのところ微妙にカゼ気味なので吐気が出たり、これをきっかけにめまいが再発したら嫌だな、と思って頭痛や寒気のとんぷく薬を飲んでおいてよかった、と思えるような映像が続いた。

 

 そして、トラブル。

 宇宙空間の中で、何かの物体がすごいスピードでやってきたら、それは恐怖以外の何者でもなく、その衝突で宇宙船はぐるぐると回り、主人公の女性学者は宇宙空間に放り出され、観客も一緒にぐるぐりと回る。もうどうしようもない。どこにいるかも分からない。無線がかろうじて通じているから、それもジョージクルーニーで、あのバットマンだったなあ、みたいな気持ちにもなるが、その呼びかけで、減って行く酸素と、そしてその激しい呼吸でこちらまで息苦しい感じになってくる。

 

 そこへ救いが来て、それでもギリギリな感じで宇宙空間を移動する心細さと不安と、そして宇宙船に戻ったら、ほぼ壊滅状態で、他の乗組員は死んでしまっている。他の宇宙船に行かないといけない。2人だけで、ほぼ宇宙服だけで。なんとか動力で少しずつ進むが、そして音が本当に静かで、限りなくて、暗い。

 

 ただその移動もスムーズに行かず、そこからまた宇宙船の移動をしなくてはいけないのに、動かず、死を覚悟するところでは、こちらも死ぬのは嫌だなあ、というような黒い気持ちになり、自分だって、いつかは死ぬのだから、そして、そのいつかは確実に近づいているのが分かる年齢になったから余計につらくもなったけれど、それも演技だけでなく、ここまで体験のように映画を見て来て、宇宙船に入る時に固く閉められたドアをあけるところなどは、こちらも力が入って変な姿勢になっていたと思うくらいで、それがあったから、気持ちにまで届いたように思う。

 

 宇宙空間は、3Dに一番向いているといっていいのに、ここまでどうして気がつかなかったのだろう。

 と思うくらい、3Dが生きていた。誰もいない宇宙船に乗り込んだ時に、ボールペンとか、変なマスコットとかが浮いている乱雑な感じに、捨てられた家みたいな感じも出ていたし、最後は、自分も宇宙から戻って来た。よかった、みたいな気持ちにもなった。着陸してから、そこでおぼれそうにもなったり、という場面も含めて、これでもか、という場面が続く。

 話はシンプルで、だけど、本当に巻き込まれている感じがずっとしていた。

 もし、テレビなどで見たら、まったく違う印象だったと思う。

 

 

 

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