2024年12月21日。
月岡芳年は、江戸末期から明治中期にまで活躍した浮世絵師、ということになっているけれど、考えたら、江戸時代のものであるはずのもので、そこから、全く違う世の中になった中を、浮世絵師として生き残ったこと自体が、すごいことだと改めて思う。
それに浮世絵の題材自体も、権力そのものが変わったから、ある意味、強制的に変えなくてはいけない事情も、この展示のキャプションなどで知った。
ただ、浮世絵としては、新しいせいか、刷りがきれいに出てきて、色が濃い、という印象だった。だから、もしかしたら、さらに古い時代の浮世絵も、本当は、もっと色が強く出るべきものだったのかもしれない、などと思い、月岡芳年や、同時代の浮世絵師の絵は、現代でも色が濃いと思える「鬼滅の刃」とも似ているように見えた。
さらには、そのレイアウトや、登場人物や、背景などがドラマチックで、本当に歌舞伎の一場面というよりは、映画のある瞬間のように、とても決まっていて、素直にかっこよく見えた。
浮世絵の蓄積は、やはりすごくて、このあり方だったら、西洋のアートとも対抗できたのに、と思ったけれど、だから、西洋で評価されたのだとも改めて実感できたような気がした。
『鬼才 月岡芳年の世界』
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