
2024年12月7日。
20世紀には今はなくなってしまった食料ビルの中にあった小山登美夫ギャラリーは、何度か場所を変え、今では六本木、天王洲に続いて、京橋に3つ目のギャラリーを開く。
なんだかすごく出世していると、改めて思う。
そして、この京橋のギャラリーは、新しくできた戸田ビルディングの中で、建物自体もとても新しい。
最初の展覧会は、杉戸洋の個展。
(「小山登美夫ギャラリー」)
https://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/sugito2024/
今回、ある展覧会のため未発表の90年代作品を出したことをきっかけとし、自身の90年代ペインティング作品と新作との組み合わせ、そして当時扱ったFRP素材での立体制作という試みも行います。
大学卒業後山奥で畑を耕しながら制作したそのペインティングは、画材もお金も足りなかったのに大きな画面に描いていました。当時と感覚は違えど現在制作していたものと相性がよく面白く見え、視点を変えなにかできないかという気づき。さらに当時昼間はアルバイトでFRP成形、夜は絵を描き、合間に畑仕事とハードだけど充実した時間だったこと、「さつま芋を根っこごと掘り起こした時の感動を自分の絵と比較してみると呆然とし絵を描くことができなくなってしまった思い出」が蘇り、90年代を象徴するようなFRP素材で果物のモチーフを成形し直すことで、絵との組み合わせを試行錯誤したいと思い至りました。
同じものを時間を経て改めて見、普段知っているものを似て非なるものと並べて気づく新鮮さや新たな視点は、私たちにも共感できる感覚ではないでしょうか。
(『小山登美夫ギャラリー』より)
ギャラリーの中の作品は、これまで見てきた杉戸洋の作品らしいと思ってしまうような、なつかしさと、初心を忘れない感じがあった。
絵画も、こちらの見る目のなさもあるとしても、新作と旧作が、それほど違っていると思えなかったのか。もしくは、全体としての統一感があって、その違いが明確にわからなかっただけなのかもしれない。
どちらにしても、内省的でありながらも、みずみずしい印象があって、長く作品を制作し続けているはずなのに、そうしたことが伝わってくるのは、すごいと思った。
(『April Song』杉戸洋)
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