アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

迫 鉄平「砂と砂」。2025.7.25―8.11。アート/空家 二人。

 

2025年7月30日。

 初めて行くギャラリー。アート/空家 二人。

 地元の大田区で貴重な存在だと意識しながらも、自分にとっては微妙に駅から遠く、コロナ禍もあって行く機会がなかった。

 歩行者専用、という珍しい標識の路地を入ると、そのギャラリーはあった。比較的平凡な作りの民家。中に入ると、一階はホワイトギャラリーになっている。

 引き戸を開けると、静かなたたずまいの人が、迎えてくれる。どうやら、ギャラリストの三木仙太郎という人のようだった。名前と、気配があっている。

 

 https://nito20.com 

(「アート/空家 二人」サイト)

 

 迫 鉄平「砂と砂」。

 

 写真が並ぶ。その鑑賞の順番まで一応指定されていて、渡された薄いカタログのようなものには、撮影場所と日時が書かれていて、それだけで、目の前にある写真の光景から、その外側へ想像はふくらみやすい。

 誰もが1日に何十枚も写真を撮るような時代に、プロの写真家として、どうしていくのだろう。そんなことを写真の展示を見るたびに思うけれど、そこに並んでいる写真は、誰もが撮っていそうで、撮影していない瞬間。もしくは、同じような写真が撮れたとしたら、失敗作として消去されそうな写真。

 

 でも、見ていると、全く縁もゆかりもない場所と時間のはずなのに、妙な懐かしさを覚えたりするのは、写真に写さないような場所や場面を、生きている時間の中で、実は最も多く目にしているのではないか。

 そんな気持ちになるような写真だった。

 

 階段を上り、2階にも作品が展示されている。まだ和室のままが残っていたりするが、写真の展示も、さらにインスタレーションのような感じだった。

 スライドが切り替わって、写真だけでなく短い動画も映されている。その上映時間は1時間以上、もっと余裕を持って、できたら全部を見たいとも思える時間が、その画像と映像に流れている。

 

 一階に戻り、小さなショップのような場所があり、そこには、2020年からのこのギャラリーの展示が記録されている書籍もあった。どの展示もすごく良かった。これまで、このギャラリーの存在を知っていたのに、来なかったことを少し後悔するような作品ばかりだった。

 ギャラリストの方とも、少し話ができた。

 静かで豊かな時間になった。