2014年3月27日。
おだやかな空気が流れていた。時代は戦後すぐだったり、まだ混乱だったり、貧乏だったりのはずだけど、自由が丘とか、柿の木坂とか、自分とも多少は縁のある場所に住んでいた画家たちには、そんな空気感はなく、作品や写真や、あと見た事がない舞踏の事とか、豊かな、つまりはひがみも入っているとは思うけれど、金持ちな感じが漂っていた。
ただ、それはもしかしたら戦争中でもある意味は変わらず、悲惨な感じはあまりなかった。画題として、そういう要素を避けたのかもしれないけれど、昔、ゴルフの取材をしていた頃に、代々お金持ちの人達に会う機会が何回も会って、独特のしわの少なさというか、肌のきれいさみたいなものがあって、何かで守られている印象は強かった。あの感じを思い出す。
モダンな住人は、経済力で、もしくは社会的な地位で支えられていたかもしれない、というような気持ちにもなったが、特に舞踊は、三越の屋上で若い女性が肌の露出が多いかっこうをしたから、人が集まった、というようや、今の撮影会に近いのではないか、みたいな事とか、こういうことが行われていた事も初めて知り、自分が知っている(とはいっても、それはごくわずかな情報にすぎないが)歴史や時間とは確実に違う流れがあるのだと思った。文章などで読むよりも、強くサロンみたいな存在を近くに感じることが出来た。
「岡田謙三&目黒界隈のモダンな住人たち展」
https://www.tokyoartbeat.com/events/-/2014%2F4164