アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

書籍

書籍  『根本敬ゲルニカ計画』 ニコ・ニコルソン

https://amzn.to/3WdANpv 『根本敬ゲルニカ計画』 ニコ・ニコルソン 特殊漫画家、という肩書きのある根本敬が、突如、大きい絵を描く、と決めてから、完成するまでの話。それが漫画によって描かれている。 アドバイザーの現代美術家・会田誠の距離感が、敬意…

書籍 『ヘンな日本美術史』 山口晃

https://amzn.to/4bQJFa5 『ヘンな日本美術史』 山口晃 この本は、カルチャースクールで話された内容をもとにしているというが、そこに出てくる作品や、作者たちが、それこそ「日本のふるい絵」であり、「昔の絵描き」であるにも関わらず、その距離感がとて…

書籍  『秘密の知識 巨匠も用いた知られざる技術の解明』 デイヴィッド・ホックニー

https://amzn.to/3RVRt2d 『秘密の知識』(普及版) デイヴィッド・ホックニー 現代の巨匠、ホックニーが科学的、視覚的根拠により著した美術史における大胆な仮説。カラヴァッジョ、デューラー、ダ・ヴィンチ、アングルなど西洋の巨匠が描いた名画やスケッ…

書籍 『アウトサイドで生きている』 櫛野展正 

『アウトサイドで生きている』 櫛野展正 https://amzn.to/3s38bma アウトサイドアート。という範囲は、思ったよりも広いと感じたのは、定義上は「正式なアートの教育を受けていない」と、アウトサイドアーティストになるらしく、それは、ファインアートの、…

書籍 『アートの地殻変動』 北川フロム

『アートの地殻変動』 北川フロム https://amzn.to/46pidgi アートによって、町おこしや地域おこしをしようとしている自治体は、今は、かなり多いのではないだろうか。そのことすべてが素晴らしいとは思わないし、その「〇〇ビエンナーレ」や「〇〇トリエン…

書籍 『テオ もうひとりのゴッホ』  マリー=アンジェリーク・オザンヌ  フレデリック・ド・ジョード 

amzn.to あの「ゴッホ」の弟に焦点を当てた作品。 兄ヴィンセントは弟テオなくして、画家ヴァン・ゴッホたりえたか?98通もの未公開書簡を軸に弟テオの画商としての生涯に光を当てた初めての伝記。“ふたりのゴッホ”の芸術創造のドラマ。 これが、本の内容を紹…

書籍 『アイドルダンス!!!』 竹中夏海

IDOL DANCE!!!: 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい | 竹中 夏海 |本 | 通販 | Amazon 体育大で、舞踏を学んだ著者が、アイドルダンスの振り付けをしたい、と願って、それを仕事にし、発展させていく様子がすごい。というより、最初から振り…

書籍 『アーティストのためのハンドブック 製作につきまとう不安との付き合いかた』。デイヴィッド・ベイルズ。 テッド・オーランド 

『アーティストのためのハンドブック 製作につきまとう不安との付き合いかた』。デイヴィッド・ベイルズ。 テッド・オーランド https://amzn.to/48BlMBF すごく素直で真っ当な本だった。 ごく当たり前だけど、基本的で大事なことが書いてあって、自分がアー…

書籍  『めくるめく現代アート』  筧菜奈子

amzn.to 現代アートは、コンセプトが重要とは言っても、それでもアートだから、その見た目がポイントだと思う。 そうなると、アートを紹介する場合に、どれだけ図版が使えるかで印象が変わってくるけれど、おそらくは写真を使う際に、有名な作品ほど、その使…

書籍 『アウトサイダー・アート入門』 椹木野衣 

amzn.to 思った以上に、興味深く、面白い本だった。 アウトサイダー・アートという言葉がよく聞かれるようになったのは、1993年の世田谷美術館 パラレルビジョン展以来だという。 「アウトサイダー・アート」という語には、様々な負の要素がつきまとって…

書籍 『アート・パワー』 ボリス・グロイス 

『アート・パワー』 ボリス・グロイス https://amzn.to/468hfVd 訳者あとがきによれば、この著者が重要なのは、「アートとは何か?」を正面から問い続けているから、ということらしい。そういえば、この本は、すごく社会の中のアートといったことも意識して…

書籍 『演技と演出』 平田オリザ

『演技と演出』 平田オリザ https://amzn.to/3PqA7cy 演劇とは何か、みたいなことを、私自身は、演劇というものに対して未熟だとは思うけど、それでも、専門家として、真っ正面から考えている本だと思った。 すごいと思った言葉は、いくつもあった。こういう…

書籍『芸術の設計 見る/作ることのアプリケーション』 岡崎乾二郎 

『芸術の設計 見る/作ることのアプリケーション』 岡崎乾二郎 https://amzn.to/45Cju3q 作品を作るだけではなく、批評もする、ある意味で圧倒的な存在で、独特な人が岡崎乾二郎で、どこか近寄りがたい存在でもあった。 この本も、以前から、そういえば図書…

書籍 『戦争画とニッポン』 椹木野衣×会田誠

『戦争画とニッポン』 椹木野衣×会田誠 https://amzn.to/3ElU9ig 戦争画は、美術館に所蔵されているのに、見る機会は極端に少ない。 会田誠は、現代美術界の中でも、戦争画に対して、関心を持ち続け、作品としても制作しているアーティストで、椹木野衣は、…

書籍『誰のためのデザイン?』 D.A.ノーマン

amzn.to 認知工学者、認知科学者でもある著者がデザイナーであることで、おそらく初めてわかることが書かれているような気がした。 デザインで使いやすが圧倒的に変わるし、事故につながるかどうかも知った。それだけ重要なことなのは間違いないようだ。 例…

書籍 『レストランの新しいデザート』 柴田書店

レストラン エル・ブジの話をある雑誌で読んだ時、衝撃だったのは、そのコンセプトだった。たとえば、泡を料理として出す。まるで科学実験のような、さらには本当にアートのようなメニューに感じた。 スペインの予約が取れない人気レストランに、自分では行…

書籍 『立体交差/ジャンクション』 大山顕 

東京都大田区主催の建築関係の表彰式みたいなものがあり、そこで講演会があり、大山の話を初めて聞いたのは2018年だった。その前に著書も読み、ある程度の予想があり、だから、聞きに行ったのだけど、事前の想像をはるかに超えて、面白かった。そんな粗…

書籍 『水中の哲学者たち』 永井玲衣

『水中の哲学者たち』 永井玲衣 https://amzn.to/3YK2Hc2 哲学カフェ。 最初は、怖くもあったのだけど、実際は、自由で誠実な場所であって、だから、考えることの必要性だけでなく、その楽しさも少しわかったような気がする。それは、最初に行った場所に恵ま…

書籍 『新写真論 スマホと顔』 大山顕

『新写真論 スマホと顔』 大山顕 https://amzn.to/3schqjE 写真論」という題名がついているが、ここでは、どうすれば「いい写真が撮れるか?」とか「どのような写真が優れた写真なのか」といった話は、ほとんどされていないと思う。ただ、厳密にいえば、それ…

書籍 写真集 『うれしい生活』 植本一子  

写真集 『うれしい生活』 植本一子 https://amzn.to/45lsSYG ありそうでない、毎日を記録しているという写真集。 そういう意味では、共感もできそうだった。 今回の写真集は、夫であるラッパーのECDが病気になり、闘病し、亡くなることまでも記録されている…

書籍 『野球短歌 さっきまでセ界が全滅したことを私はぜんぜん知らなかった』 池松舞

保坂和志の「小説思考塾」に、保坂氏の対話相手として登場して、そのことで、この著者を初めて知った。 『保坂和志 小説的思考塾 vol.11』 http://hosakakazushi.com/?p=1498 それで、『野球短歌』-----どうしても、短歌や俳句など定型詩に関しては、気持…

書籍 『現代アートとは何か』 小崎哲哉  

『現代アートとは何か』 小崎哲哉 現代アートとは何か | 小崎哲哉 |本 | 通販 | Amazon バランスがいい本だと思う。現代アートに関する要素、これだけの幅を、比較的、遠慮なく書ける(ように見える)人は、こういう立場しか無理なのかもしれない。カルチャ…

書籍 『近代を彫刻/超克する』 小田原のどか

amzn.to 以前から、公共空間の彫刻に関しては、自分が思った以上に気になっていたことを、この本を読んで、改めて分かったし、彫刻は、ずっと公共空間に存在するだけに、やはり重い思惑があることを確認できたような気がした。著者自身が、現代という時代に…

書籍 『現代美術史  欧米、日本、トランスナショナル』 山本浩貴

『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』 山本浩貴 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784121025623 明らかに、これまでとは違う視点から書かれた美術史だと感じた。 それは、著者の経歴とも関係があるようだけど、読んでいると、これが現代美…

 書籍 『みんなの現代アート  大衆に媚びを売る方法、あるいはアートがアートであるために』。グレイソン・ベリー

『みんなの現代アート 大衆に媚びを売る方法、あるいはアートがアートであるために』。グレイソン・ベリー https://amzn.to/47aVntL 著者は、1960年生まれ。 2003年に、アート界では重要な賞であるターナー賞を受賞している現役のアーティストでもあ…

書籍 『コンクリート魂  浅野祥雲大全』 大竹俊之

amzn.to 小学生の頃、中部地方に住んでいた。 そのとき、何度か家族でドライブで行った場所が、『桃太郎神社』だった。 そこに犬、キジ、猿、桃太郎、だけではなく、鬼の銅像もあったが、それが不思議な佇まいだったのは印象に残っている。 それから、何十年…

書籍 『なりたいのは建築家』 ローランド・ハーゲンバーグ

amzn.to 日本の建築家 24人へのインタビュー。 ハーゲンバーグ,ローランドオーストリア生まれ、ウィーンで育つ。マルチメディアアーティストとして、“VOGUE”や“Architectural Digest”などに寄稿。1995年より日本に移り、建築とデザインの世界を追っている…

書籍 『13歳からのアート思考』 末永幸歩

『13歳からのアート思考』 末永幸歩 https://amzn.to/474euWg 冒頭で、モネの睡蓮について、語られている。 モネが、自宅の庭の池に咲く睡蓮を、ずっと描き続けたことは、よく知られている。 ある少年が、この絵画には、カエルがいる、と話し、それで、隅…

書籍 『現代アートを殺さないために ソフトな恐怖政治と表現の自由』 小崎哲哉 

amzn.to 自分がこんなにアート関係者に関して知らないことを、知らなかった。 「ART IT」を創刊した人。カルチャーウェブマガジン「REAL KYOTO」発行人。著作を読み、ジャーナリストという役割をきちんと全うしようとしている人、という印象になった。 こう…

書籍 『TOKYO POPから始まる』 小松崎 拓男

2022年に出版された書籍の表紙の写真を見て、その作品をつくったアーティストも、どこで見たのかも、瞬時に思い出した。 (『TOKYO POPから始まる』 小松崎 拓男) https://amzn.to/3XW59vA 表紙の作品は、奈良美智が作者だった。この作品が設置されてい…