IDOL DANCE!!!: 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい | 竹中 夏海 |本 | 通販 | Amazon
体育大で、舞踏を学んだ著者が、アイドルダンスの振り付けをしたい、と願って、それを仕事にし、発展させていく様子がすごい。というより、最初から振り付け師だったような自然な感じがする。
あるジャンルで、新しいもの、というよりも、すでにあったものを整理して名前をつけて発展させる、という方法は、現代アートの手法にも思えた。
しかも、そのコンセプトも明確だった。
アイドルダンスの大きな特徴である「歌詞と振付がリンクする」と「振りコピ」の2大要素は、歌詞と振付けがリンクする→覚えやすい振付になる→振りコピする、といった流れで結びついているのです(中略)振りコピとはいわば「振り付け師からアイドル、そしてファンへの伝言ゲーム」」ではないかと思っています。そしてこの伝言ゲームこそが、「歌詞と振付がリンクする」と「振りコピ」という両要素を兼ね備えている、アイドルダンス最大の特徴なのではないかと思っています。
そして、振り付け師になる過程も、その感覚がアーティスティックに思える。
振り付け師になりたいと思ってからの方法。「運」や「縁」だと思ったので、気長に待つことにした。その間、ダンスのスキルをあげ、指導もアイドルダンスに近いものが、とチアダンスの講師を始めた。
その上で、アイドルの存在そのものにも明確な視点を持っている。
今は、実像のアイドルになっているはず。だから、楽しいと思うことをやってほしい。ファンとして10年後に、実は嫌だった、みたいなことを聞くのは、やっぱり嫌だろうし
これは、今でも変わらないように思う。
アイドルに疑問を持ったら「とにかく人気者になってみたら」とアドバイスする。自分から発信しないと、それは難しい時代にもなったし。
出版されてから10年が経ったけれど、現在でも重要な視点が提示されているように思う。