アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

書籍  『根本敬ゲルニカ計画』 ニコ・ニコルソン

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根本敬ゲルニカ計画』 ニコ・ニコルソン

 

 特殊漫画家、という肩書きのある根本敬が、突如、大きい絵を描く、と決めてから、完成するまでの話。それが漫画によって描かれている。

 アドバイザーの現代美術家会田誠の距離感が、敬意を持って接する、というのは、こういうことなのだと思った。

 さらには、作品が作品として成立するまでの、他の誰もが助けられない苦悩のようなものもきちんと記録されている。

 貴重な文献だと思う。

 元々、作者は、根本敬の凄さに若い頃に触れ、それが受け入れられずに「敗北感」を持った過去がある、といったことまで描かれていた。

 

 例えば、根本敬と、会田誠が会話をしている姿を見て、この書籍の作者 ニコ・ニコルソンが、こんなふうに記している。
 

 会田さんは根本さんが

 自分の提案に

 引っ張られすぎないよう

 常に気を遣い

 

 根本さんはなるべく

 会田さんの意図を

 汲めるよう心がけているようだった

 

 2人の関係は

 お互いへのリスペクトの上に

 成り立っているんだなあ 

 

 大きな絵を描くことの技術的なことも含めて、重要な情報があると思う。