アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「アンディ・ウォーホル展」。2000.4.1~5.21。Bunkamura ザ・ミュージアム。

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アンディ・ウォーホル展」。2000.4.1~5.21。

Bunkamura ザ・ミュージアム

2000年4月8日

 そういえば、4年前に東京都現代美術館で、このアーティストの回顧展を見て、あーそうか。キャンベルスープ缶は、カゴメだったんだ。そして、この感じがリアルに分かるのは、豊かさを、恥ずかしい形であっても、経験して、初めて分かることだから、ようやく今なんだ。そして、これをやられたら、この後の同業者は大変だ、と思った。そのことを憶えている。

 

 あれから、4年たって、自分はまだ何もやってない。そういう気持ちばかりが強くなって、しかも今は親の介護で仕事から離れて9ヶ月がたっていて、そういう状況で、どう見えるか?を確かめてみたい気持ちがあった。

 

 Bunkamuraは、土曜日ということもあってかなり混んでいた。若い人間も多い。相変わらず、古い感じはあまりしなかった。これだけ、ある意味で自分を殺していれば、なかなか古びないのかもしれない。それに、まだシャープな印象も変わらない。かっこいい。それは、4年前とはやや違う作品が並んでいたが、同じだった。それに、肖像画によく出ていて、それはどこかでサービスなのかもしれないが、色使いが妙に鮮やかで場違いなはずなのに、しっっくりくる。それは、時間の経過なのかもしれないが、でも、気持ち良さというものもよく知っている、と改めて感心する。村上龍が、僕の作品は分かりにくいテーマが多いので、その口当たりだけは、スィートにする。という言葉とどこかで重なるのかもしれない。

 

 時代は、まだ変わっていない部分がある。それは、その先とも関係しているのかもしれない。でも、例えばオリジナルが本当に正しいのか?といったことも実は表していて、それはもしかしたら民主主義って正しいの?というところへもつながる可能性がある。と思うのは呉智英の影響を受け過ぎているだけかもしれない。

 

(2000年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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www.bunkamura.co.jp