アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

〝着る〟アフリカ展。2019.1.19~3.24。あーすぷらざ(横浜市栄区)。

〝着る〟アフリカ展。2019.1.19~3.24。あーすぷらざ(横浜市栄区)。

2019年3月7日。

 NHKの日曜美術館で紹介されているのを見た。コンゴの「サプール」といわれる人々の写真展。色が鮮やかで、普段はかなり貧しいといっていいのに、派手なスーツを着て、ただ、とてもかっこいい感じはあった。雨の中、たまたま見に行けた。

 

 写真展。コンゴも、コンゴ共和国と、コンゴ民主共和国、の2つになっていること。サプールと言われる人たちも、そのどちらかに属するかで、違ってくること。いろいろな色を使うのと、黒を貴重にして「ヨージヤマモト」が主流であるといった違いがあったりするのも、ここで初めて知る。

 

 ただ、これまでほとんど知らなかったから、堂々とは言えないとしても、こうしたサプールという存在を知ることで、明らかに、コンゴという国に対しての親近感と、敬意が生まれるから、こうした展覧会をしていく、というのは、本当に大事なのだとは思う。国が外の都合で2つに分かれている、といったことまで初めて知った。

 

 

(2019年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

「サプール」

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www.welcome.city.yokohama.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マリリン・モンローとエルヴィス・プレスリー展」。1997.8.6~18。大丸ミュージアム・梅田。

マリリン・モンローエルヴィス・プレスリー展。1997.8.6~18。
大丸ミュージアム・梅田。

 

1997年8月7日。

 プレスリーとモンロー展。こういうのは、いろいろな人の作品、それもややリラックスしたものが見られて、結構、お得な感じがする。カバー曲と同様に、少し力が抜けていて、それが楽しいのかもしれない。

 

 出張で大阪に行き、その空き時間に寄った。

 

 いつも見ている気がしているアンディ・ウォーホルキース・ヘリング。それから横尾忠則森村泰昌は、自分が扮している。

 

 チラシには、こうした文章がある。

 

「8月16日、エルヴィス・プレスリー没後20年。8月5日マリリン・モンロー没後35年。2つの記念日を迎える1997年夏、生前、顔を合わせることのなかった2人のスーパースターの史上初のジョイントが実現する」

 

 

(1997年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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dmdepart.jp

 

 

 

 

 

 

「これでいいのだ。赤塚不二夫展」。1997.10。上野の森美術館。

 1997年10月12日。

 

 これを、美術館でやる意味があるのか。バカボンのパパも、マンガやアニメの中でこそのキャラクターじゃないのか。他のキャラクターも同様だけど、こういう展覧会は、凱旋的な意味合いが強くなってしまうような気もする。

 

 ただ、タマネギ玉ちゃんが、赤塚不二夫の作ったキャラクターだと初めて知った。それまでは、それを全く知らずに「タマネギ玉ちゃん、泣かしちゃだめよー」などと歌っていたりしたのだから。他のキャラクターも、なつかしいものばかりだっった。なつかしくなって、ようやく世間からも、ほめられたりするんだろうか。

 上野で、アートリンクもやっていて、他の作品も見て回ったはずだが、ほとんど記憶にない。ペンキ塗り立てのガードレールに腰掛けて、ズボンを一つダメにした。

 

 後年、(2001年)岡崎京子が、渋谷のPハウスで展覧会をやったのを、椹木野衣の本で知った。その時は、マンガを大きく扱ったり、キャラクターを立体にするんではなく、自分が影響を受けたものを展示したり、とつまり他の漫画家の展覧会とは、かなり違ったやり方をしたらしい。見たかった。

 

(1997年の時の記録です。その後、多少の加筆・修正をしています)。

www.koredeiinoda.net

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「観察眼 湘南のイラストレーターが描くいきものと自然」。2019.4.27~6.16。藤沢市アートスペース。

「観察眼 湘南のイラストレーターが描くいきものと自然」。2019.4.27~6.16。藤沢市アートスペース。

2019年5月8日。

 茅ヶ崎の美術館と、藤沢の個展と、どちらがいいか、と妻に聞いて、こっちが選ばれた。向田智也。雑木林の1年、田んぼの1年といった絵本を出しているらしく、その絵が大きく展示されていて、イラストのおかげで、自然の状態だったら、いろいろなものが複雑の同時に存在していて、とてもバラバラには見られないから、分かりやすく描ける、という利点が十分以上に生かされている。

 

 これだけ描くには、そうとうな取材や調査や知識が必要なはずで、大変だけど、おもしろいのは、自然というか、素材そのものの面白さがあるのかもしれない。

 

 それは、横山寛多の作品にも思ったが、その作品は、どこか昔なつかしい感触もあった。向田が1972年生まれ。40代なかば。横山が1980年生まれ。30代後半。もっと年上にも思ったが、たとえば、横山の紹介に「雑誌や新聞に挿絵を描く」。「絵の仕事のほか、専門学校等でデッサンの講師を務める」とあり、すごく昔ながらのイラストレーターという感じがして、生き物をテーマにすると、教育等とも関わってくるので、意外と仕事が多いのかもしれない。横山は、横山泰三という昔活躍した漫画家の孫でもある、という。

 

 

 

(2019年の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

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www.city.fujisawa.kanagawa.jp

 

 

 

 

 

 

日本列島クロニクル ― 東松照明の50年。1999.2.6~4.4。東京都写真美術館。

日本列島クロニクル ― 東松照明の50年。1999.2.6~4.4。東京都写真美術館

 

1999年2月23日。

 大物らしいが、失礼ながら、まったく知らない人だった。それに活動期間から考えても、過去の自分の遺産でやっている人だと思っていた。

 でも、軽みがあった。椹木野衣が後に評価しているのを知るが、確かにコンピュータの部品を置いた風景写真はよかった。これからの人のように見えた。とても今のものだった。

「どんなことでも、私に引き寄せないと、写真は撮れない」。

 そんな言葉に実感がある。

 写真館を出てから、恵比須の駅で実家に電話をする。寒い日だった。母は話の途中で急に泣き出し、その後すぐに何ごともないように普通に話をつなげた。それに自分で気がついていないようだった。

 あせった。でも、あと2日で行くから、と言った。

 寒かった。

ケイゾク」というドラマのエッジのきいた感じが気持ちよかった。でも、それどことではない日まで、もう3日もなかった。ひたすら、灰色の景色だった。

 

 

 

(1999年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

 

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topmuseum.jp

 

 

 

 

 

 

 

木村翔馬、名もなき実昌 「ヴァーチャル・リアリティの居心地」。2019.4.6~4.21。ゲンロンカオスラウンジ五反田アトリエ。

2019年4月18日

 カオスラウンジのホームページで、読んで、さらには、ツイッター上での評価を見て、見に行こうと思ったのは、次の段階に進もうとしている作品だということを知ったからだった。

 

chaosxlounge.com

 

 木村は、1996年生まれ、ということは、23歳くらい。若い、というか、その頃、自分が周囲の年寄りに言われると、そんなことはない、と思っていたのは、たとえば10代から活躍している人間もいたし、周囲にもいたし、といった比較もしていたし、それは若いというわけには思えないと感じてもいるが、その一方で、もう10年くらい前になるけど、カオスラウンジの作品を見て、やっと新しくなった、という気持ちになれたのを、もしかしたら感じられるかもしれない、と思って、仕事のあとに向かった。

 

 木村翔馬は、バーチャルリアリティをテーマに、VRを、もう一度、リアルな世界の作品に戻す、みたいなことをしているらしく、そのVRは、妙な気持ちよさと、本来なら区切りがない世界に、区切りを作ろうとしていたりしているのかな、とは思ったが、こうした感じを、見て、VRは、作品も見て来たし、映像もすこしは見て来たとは思うが、ただ、珍しいものというよりは、この映像の意味みたいなものを何とか形にしよう、という感じは伝わってきた。新しいのではないか、ちがう気持ち良さがあるのではないか、といった印象を持ったが、ここに来るまでにTwitterなどで、ある意味では自分が「洗脳」されているのではないか、とも疑った。

 

「名もなき実昌」は、同じような世代で、この作品はスマホ、つまりはタッチパネルというものを作品にしようと思っているような感じは分かる。画面の上に粗い線が入っていて、それは、画面があって、その上から、動かそうとしているようなように見えてしまうのは、それでも、新しさがそこにある気がした。

 さらに先に進めたりするんだとは思えた。

 

 

(2019年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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「ようこそ美術図鑑へ」。1999.4.14~5.16。いわき市立美術館。

「ようこそ美術図鑑へ」。1999.4.14~5.16。いわき市立美術館。

1999年5月9日。

 

 母親が突然、症状がおかしくなり、入院もしたが、原因が分からないまま回復し2週間ほどで退院できた。思ったよりも早く仕事に復帰できた。4月から、原稿を書けるようになった。

 

 5月になったら、何日かは実家へ母を一人でいさせても大丈夫になった。1日ずつ増やしていった。

 そして、復帰後の初出張。ついでに、いわき市立美術館へも寄った。私にとっては、あんまり魅力的な企画ではなく、教育的な展覧会だった。連休を意識しているのかもしれない。勉強のような感じもした。

 

 4月にコンピュータを買った。

 未来を少しでも、つなげたかった。

 

 

(1999年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.city.iwaki.lg.jp

 

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