アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

日本列島クロニクル ― 東松照明の50年。1999.2.6~4.4。東京都写真美術館。

日本列島クロニクル ― 東松照明の50年。1999.2.6~4.4。東京都写真美術館

 

1999年2月23日。

 大物らしいが、失礼ながら、まったく知らない人だった。それに活動期間から考えても、過去の自分の遺産でやっている人だと思っていた。

 でも、軽みがあった。椹木野衣が後に評価しているのを知るが、確かにコンピュータの部品を置いた風景写真はよかった。これからの人のように見えた。とても今のものだった。

「どんなことでも、私に引き寄せないと、写真は撮れない」。

 そんな言葉に実感がある。

 写真館を出てから、恵比須の駅で実家に電話をする。寒い日だった。母は話の途中で急に泣き出し、その後すぐに何ごともないように普通に話をつなげた。それに自分で気がついていないようだった。

 あせった。でも、あと2日で行くから、と言った。

 寒かった。

ケイゾク」というドラマのエッジのきいた感じが気持ちよかった。でも、それどことではない日まで、もう3日もなかった。ひたすら、灰色の景色だった。

 

 

 

(1999年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

 

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