アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

K.K. 展 「ワラッテイイトモ、」。2004.3.4~3.16。アペル。

f:id:artaudience:20200610221917j:plain

K.K. 展 「ワラッテイイトモ、」。2004.3.4~3.16。アペル。

 

2004年3月14日。

 経堂のギャラリー。カフェもあって、雑誌も売っていて、いい感じの場所に思えた。電話で展覧会の問い合わせしたところ、物凄くあいまいな答えだった。この「ワラッテイイトモ、」はキリンアートアワード2003をとったが、「笑っていいとも」の画像をふんだんに使っているため、なかなか一般公開が難しいということだったが、そういう影響もあって、答えがあいまいだったようだ。何だか、秘密っぽい感じで、それもよかった。

 

 小田急線・経堂の駅から徒歩8分。

 そのギャラリーは、カフェから、狭いはしごを登ったところにあった。ビデオデッキが動いているのだけど、その画像は物凄く小さなモニターに映し出されているだけだった。この作品をダビングして、そのマスターテープにあたるものを持って帰っていいという方法だった。だから、家に帰って作品を見られるという。

 

 次にダビングをスタートできるのが、50分後ぐらいらしい。ちょうど、前の人のダビングが始まった直後だった。だから、町へ出て、買い物とかをして時間がすぎた。そして、戻ってダビングを始めることができた。他には何もないギャラリー空間。そして約50分くらいを1階のカフェで、コーヒーを飲んで、妻と話をしていた。

 

 その途中で男性がカフェに入って来て、何か話していた。やっぱり、この展覧会を見にきたらしい。そして、ダビングの予約を入れてビールを飲んでいた。途中で、急に画質が気になり、聞いたが、大丈夫ということらしい。訳を知っている人だけがぱらぱらっと来て、ダビングしていく。1日に7〜8人のペースらしい。何だか不思議な光景だった。

 コーヒーを飲んだり、ケーキを食べたり、けっこう落ち着くところだった。そして、時間が過ぎ、ダビングも終り、帰りにラーメン屋に寄って、おいしかった。

 何をするわけでもないのに、楽しかった。

 

 後日、テープを見た。

 微妙な気持ち悪さや暗さもあったが、タモリがたくさん出てきて、独特で、不思議なドキュメンタリーのようだった。あれだけ毎日やっていて、風景みたいになっているテレビ番組に、これだけ無気味さを感じるとは思わなかった。貴重なビデオテープだと思うが、まだ2度目は見ていない。

 

「作品は、そのサンプリングの対象となる人気番組を、ひきこもり状態の作家が見ているという状況を中心としたドキュメンタリー的な形態をとりながら、戦後日本史と人気タレントのプロフィールを重ね書きしつつ、テレビという戦後メディアに代表される日本独特の生活様式の暗さにスポットを当て、さらに作家の主観を通じて、個人の内省と時代、ひいては戦後日本の内省を促す特異な作品です」。           (展覧会場のチラシより)

 

 

(2004年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

 

tower.jp