アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

立原真理子展『帳と青』。2016.7.9~19。Hasu no hana。

立原真理子展『帳と青』。2016.7.9~19。Hasu no hana。

 

 作品として目の当たりにすると、この場所に風景があることに、納得がいくというか、これまで、どうして誰も気がつかなったのだろうか、といった気持ちになる。

 網戸に刺繍糸で、「絵」が描かれている。

 もし、実際に利用されたとしたら、そして、その向こうに庭があるとしたら、風景が重なるから、さらに不思議な気持ちになれるのだと思う。

 

 そして、蚊帳が広がり、その表面にも「風景」が広がる。

 

『蚊帳の中に横たわり、その深い青緑色の境界線を眺めていると

 渺茫たる奥行きが浮かぶ

 川のこちら側にいる時、あちら側は果てしない』(作者の言葉)

 

 

『近年の立原の作品は、空間を隔てる戸でありながらも、透ける、空気や光を通す、などその境目が曖昧である「網戸」を支持体とし、刺繍糸で風景を描いていく作品を発表してきました。透過性のある網戸越しに、風景を重ねることで、そこに新たな時空の境目や奥行きを映してきました。

 

本展では蚊帳を用いた新作を発表いたします。その形態上これまでにはなかった領域が生まれ、それは同時に体感へと誘導し、立原のテーマである「内側と外側」「彼岸と此岸」「時間」といった風景の中の境目の在り方のテーマをより深く探って行きます』(チラシより)。

 

 

 

『Hasu no hana』 サイト

https://www.hasunohana.net/

 

 

現代アート、超入門!』 藤田令伊

https://amzn.to/43ygAvt