アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「Carton展」。2012.3.26~4.15。Hasu no hana CAFÉ。

「Carton展」。2012.3.26~4.15。Hasu no hana CAFÉ。

 世代によって違うのだけど、ダンボールへのイメージが違っているのを改めて、わかった。

 若い作家。ダンボールが好きで、海外にも出かけるが、まだ学生で、とても未来が明るく見える人だった。

 

 ダンボールで、サイフや名刺入れなど、身の回りのもの。

 とても魅力的で、一つ財布を買ってしまった。

 

 ワークショップもあったけれど、参加して、とても親切に教えてくれて、すごく楽しかった。

 

 

 ダンボールそのものへの見方が変わった。

 

 それまでは、貧乏くさいイメージだったのが、考えたら、素材としての面白さがあるのに気がつかされてくれた。

 

 

 

「Carton」ホームページ

https://carton-f.com

 

映画「旅するダンボール」

http://carton-movie.com

 

 

井上雄彦 エントランス・スペース・プロジェクト。2009.10.31~2010.3.28。東京都現代美術館。

井上雄彦 エントランス・スペース・プロジェクト。2009.10.31~2010.3.28。
東京都現代美術館

 

2010年4月1日。

 美術館の入り口から入って、歩く。

 その一番奥の窓の一番上から、とても大きな絵画がかかっている。

 

 井上雄彦の作品なのは、わかった。

 ちゃんと読んだことはないけれど、あれは「バガボンド」の宮本武蔵だろうと思った。

 

 近寄ってみても、その筆使いや、形や、人物が、すごくうまいのはわかる。

 大きくてもすごい。

 

 「和紙を貼り込んだ巨大な壁面に筆と墨による新作を描き下ろしました」。

 

 『2008年、東京・上野の森美術館で開催された巡回展「井上雄彦 最後のマンガ展」でも高さ3mを超える大作を披露しましたが、今回はそれを遥かに超える高さ7.2m、幅6mの大作となっています。

 井上雄彦は、国際的な注目を集める日本マンガ界を代表するひとりであるとともに、卓越した技量によって伝統的美意識を新たな形で体現する作家です』(チラシより)。

 

 これだけの大きさを成り立たせるのは、やっぱりすごい。

 

 

井上雄彦 エントランス・スペース・プロジェクト」

https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/108/

 

 

バガボンド 画集 墨」

https://amzn.to/3WDwyjw

 

 

 

 

 

SUGIZAKI Ryoko 「新聞紙恐竜」。2011.11.18~12.20。Hassu no hana CAFE。

SUGIZAKI Ryoko 「新聞紙恐竜」。2011.11.18~12.20。
Hassu no hana CAFE。

 

 DMは、魅力的だった。

 恐竜を新聞紙でつくる、というのは、それだけで、美しかった。

 

 「日常素材×非日常生物。新聞紙で創られる小さな恐竜たち。その造形美や立ち現れる色面が彼らに迫力をもたらします」(DMより)。

 

 とても細やかにつくられていて、ところどころの色味は、新聞紙そのものの色を使っていて、着色もしていない。とても軽いのに、重そうにさえ見える。

 

 新聞紙恐竜。タイトルそのものと作品もフィットしていると思った。

 

 

 

 

「新聞紙恐竜展」

https://onikudaisuki.jp

 

 

 

「現代美術史」山本浩貴

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映画「神様メール」。2016.6.26。トーホーシネマシャンテ(有楽町)。

「神様メール」予告編

https://www.youtube.com/watch?v=HME_MFYoy68

 

 

2016年6月26日。

 中年になってから通った学校の仲間で「映画部」と称して、時々、連絡をとりあっては、映画に出かける。なんだかうれしい。若い人も含めての会だから、同じ映画を見ても、いろいろと違うことを考えるのだろうな、とも思いながらも、去年は「アルプスで起きたこと」を見て、それぞれ楽しかった、といった感想を持てたので、基本的にはよかったと思えて、それから、なんどか企画はあったが、人が揃わなかったりして流れて、今回も危ないとか思いつつも、なんとか4人が参加することができた。

 

 待ち合わせ場所は現地。

 時間になって、まだ人が来ていなくて、そのうちの一人はギリギリになりそうで、というメールが来たらしく、そして、映画館に入って、映画が始まった。

 

 アメリを思い出すような映像。だけど、もっと生々しく、時々、幸福感がわきおこってくるような感じがするのは、音楽のせいかもしれなかったが、そして、何人もの紹介みたいなパターンになって退屈するのかな、と思ったら、登場人物同士がからんできて、それがベタかもしれないけど、感動につながったりもする。

 それでも、話は荒唐無稽といっていいような展開にもなったけど、最後は幸福感が伝わって来るような終わり方になって、それは、しばらく残るようないい気配でもあった。おもしろかった。

 

 そのあと、食事をして、解散した。

 またみんなで見たいとも思った。

 

 

 

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中里和人展「鵜の木のグリム」。2011.10.1~23。Hasu no hana CAFE。

中里和人展「鵜の木のグリム」。2011.10.1~23。Hasu no hana CAFE。

 言い古された言い方かもしれないが、気がつかないこともある路上にある古い手描き看板。その写真集。

 

「― 優しくて残酷 現実的で超現実的 恐ろしくて滑稽。

 路上アートにみるグリムワールド。今は無くなりつつある手描き看板を撮り収めた

 写真画集『グリム』の出版記念展示を行います」(DMより)

 

 面白くて古い、時々、時間が経って、なんだか分からなくなっているものまであるけれど、こうしてまとめてみると、不思議な世界は、あちこちにあることを、改めて知る。

 

 夜に行われた路上幻燈会(10月15日)に、妻が参加した。

 

 近所を歩きながら、ところどころで幻燈機(風呂と呼ばれる機種)で映像を映しながら、移動するというイベントだった。楽しかった、と言って帰ってきた。

 

 こういう企画があるのも、新鮮で、うれしかった。

 

 

amzn.to

 

 

「Hasu no hana」ホームページ

https://www.hasunohana.net/

 

 

 

 

 

映画「シン・ゴジラ」。2016.9.26。川崎トーホー(ダイスビル内)。

映画「シン・ゴジラ」。2016.9.26。川崎トーホー(ダイスビル内)。

2016年9月26日。

 最初は期待もしてなかったのだけど、そのうち、ツイッターなどで、その評判を知るようになり、ゲンキンだとは思うけれど、見たくなったら、小学生の頃、夏休みのたびに、とまではいかなくても、ごくたまに見る映画が、「ゴジラシリーズ」だったことを思い出し、田舎の古い体育館みたいな場所で見たことや、小さな町に本屋が一軒だけあって、いつもは「子供の科学」を買っている場所だったのだけど、その夏に見たのだか、その前に見たのだか、「ゴジラ」の本があって、小さなカラーのほぼ写真ばかりの本だったけど、それを買って帰って、そっと読んだのを覚えている。そんなことも思い出したりして、さらには、区役所で「シン・ゴジラ展」を見に行ったということもあるし、何しろ見に行きたいという気持ちが重なって来て、見に行きたいと思った。

 

 テレビでハリウッドでのゴジラを改めて見て、これじゃない、といった気持ちにもなって、そして、「シン・ゴジラ」の情報に接するたびに、そういえば、総監督が、エヴァンゲリオン庵野秀明だったというようなことを、それほどエヴァンゲリオンに詳しくもないのに、やっぱりすごいのかも、などと思ったりもしたので、よけいに、見に行きたい気持ちになった。妻と一緒に見る機会がなかなかないままに時間がたち、遅くなると、朝早くとか夜だけになってしまって見に行けないというパターンかと思ったら、人気が続いたせいか、見られる時間にまだ映画をやっていたので、今日、出かけることになれた。
 

 予告編が長かった。

 映画の最初から、会議の連続で、ただ書類を配ったり、会議室のセッティングの映像だけで、妙に盛り上がる気持ちになるところとかが、エヴァンゲリオンっぽいなあ、と思ったり、やたらと大きく文字が出る所とかもそうだよな、と思ったり、いろいろな視点が一気に押し寄せるところとか、何しろゴジラが、最初は違う形態で出てきて、気持ち悪くて、得体が知れなくて、使徒みたいなどと思ったりもして、それに対してのグダグタな対応が続いていて、だけど、こういうところは今の日本に相当詳しくないと、分からないから、海外で受けなかった、というのは分かる気がした。

 

 でも、そのあとにゴジラが変態までして、その前にも後にも、大田区がたくさん出てきて、わりと近所が闘いの場所になっていたりもして、あそこだ、あの橋が壊された、とか、盛り上がったり、知っている場所が出て来ると、それだけなんだか気持ちも盛り上がる。放射能を吐き出す前に、まずは何かを吐くように下へまき散らしてから、上にいくみたいなところとか、背中からもビームのように放射能が出ているところとか、そういう造形とか、行動とかが、恐くて、意外で、さらには、美しいといっていい瞬間がかなりあって、見に行ってよかった、と思えた。

 

 

 

amzn.to

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

「ビザール 〜奇妙な午後〜」演劇集団ア・ラ・プラス。2017.6.29~7.3。シアター風姿花伝。

「ビザール 〜奇妙な午後〜」演劇集団ア・ラ・プラス。2017.6.29~7.3。
シアター風姿花伝

2017年7月3日。

 昔、時々行っていたカフェのオーナーがいて、そのパートナーが演劇を主催していて、少し話をしていたら、この時代に、いろいろなトレンドやいろいろな流行りや、さまざまな気にしてしまいそうなことがあるのに、それでも、自分のやりたい、やるべき演劇に集中してる感じがすごかったけれど、それは、カフェのオーナーをやっている彼女の力も大きいのではないか、と思っていて、それが、もう何年も前になっているのだけど、そのカフェは、うちから歩ける場所だったのが、もっと都会に移っていって、さらに何年かたった今では、午後3時頃に行くと、昼に開いたばかりなのに、全部が売り切れてしまうような、だけど、おそらくは自分が作れる範囲におさえているために、そんな状況になっているのだろうけど、気がついたら人気店になっていた。

 

 そのオーナーの自然な社交の力みたいなものを思い出すと、そんなこともあるんだ、と思ったりもしていて、そうしたつながりがあるので、演劇に見に行けるときは見に行っている。主宰者の杉山剛志に話を聞いたときに、その志みたいなものには敬意を感じているし、気がついたら、海外での活動も始めていて、それがある程度の成功をおさめている、といったこともあって、すごい、という気持ちがあって、それもたまたま友人が住んでいる国でもあって、そんなこともあって、見にいこうと思っていたが、どうしようかな、と思っていたら、メールが来た。前回の演劇に申し込んだから、そのデータが残っていたせいだと思うし、こういう動きは大事だとも思う。

 

 目白駅から歩く。かなり遠いというか、20分くらいというのは知っていても、まだ着かないのか、まさか通り過ぎていないよね、と思うくらいの時に、ビルの中にあった。突然、あらわれる。

  舞台装置が、いつも見るたびに思うのだけど、そんなに予算がかかっていると思わないけど、センスがいい、というか、ちょっとエッジが効いていて、いいなあ、と思えるから、お金がかかっていないのではなくて、腕があるから、お金がかかっている人を使っている、ということだと思うのだけど、こういうプロフェッショナルな成果がさりげなくいつもあるというのは、やっぱりすごいことだとは思う。

 

 舞台はベオグラード。友人が住んでいる街で、内戦や戦争や、わたしにはあまりにも縁遠いハードな環境が少し伝わってくるものの、それを東洋人が演じるには無理があるのでは、と思いつつも、演じる人がプロであることで、ある意味では安心して見られるのは、ありがたい。

 本当に継続していて、成果をあげてきているのは、すごい。

 カフェのオーナーと、演劇の主宰者の男性が結婚しているのを知り、そういうことに重きを置いていないように見えていたけど、でも、おめでとうございます、と伝えた。

 こうして、続けていて、いろいろなことをあげていっているのは、やっぱりすごいと思う。

 

 

 

「演劇集団ア・ラ・プラス」vimeo

https://vimeo.com/alaplace