アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「マルセル・デュシャンと20世紀美術」。2005.1.5~3.21。横浜美術館。

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マルセル・デュシャンと20世紀美術」。2005.1.5~3.21。横浜美術館

 

2005年3月18日。

 オシャレなカップル。

 難解な会話をしている中年夫婦。

 もうすぐ終わる時期に、ひとりで出かけたら、思ったより、人がいた。それが意外だった。

 それでも、面白かった。

 

 デュシャン以外の、いろいろなアーティストが作っている作品が思ったより、よかったし、リチャード・ハミルトンの「大ガラス」を題材にとった作品も綺麗だったし、そして、このポップアートを「作った」と言われる人が、ヨーロッパには知られていなかったデュシャンを紹介した、といった話も初めて知った。

 

 「デュシャンは語る」とう本があって、その中の文章が紹介されていて、けっこう素朴というか率直なデュシャンの言葉もよかった。なにかのために、絵を描いてないとか、絵画は自由になるために描くとか、そんな言葉もあった。

 それに、通称「大ガラス」の作品も、日本で再現されたものを初めて見たし、「遺作」も穴の向こうはスライドの絵だけど、可能な限り再現されていた。

 

 さらに、デュシャンが描いた絵、ロボットみたいな「裸体」のやつとか、チェスの絵も初めてちゃんと見た。どうしてこんなに地味な色なんだろう、と思った。

 

 もしかしたら、デュシャンも、村上隆ではないけれど、「才能ねえーな、俺」って思ったりしたから、その後、何かを創ることもなくなったのかもしれない、などとも思った。その後に「才能なんて関係ないんだ」とすぐに思って、それで「レディーメイド」の方に行ったのかな、とも思った。どちらにしても、絵に関して、本人もあんまり才能ないと感じたのではないだろうか、みたいなことは思った。

 

 おみやげに、「R MATT」というデュシャンが便器に描いたという名前の部分をシールにして、「これを貼れば、なんでもレディーメイド」というのが売っていた。500円。なんだか、感心して買ってしまった。それを、机の後ろに落として、そのままになってしまっている。

 行ってよかった。

 なんだか、明るい気持ちになった。

 

 

 

(2005年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

yokohama.art.museum