アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「幸せのかたちー 原美術館コレクション展」。1999.1.30~3.22。原美術館。

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「幸せのかたちー 原美術館コレクション展」。1999.1.30~3.22。

原美術館

 

1999年3月20日。

 

 幸せのかたち。この美術館のコレクション展は何回か見て、慣れてきたり、あ、これ見たと思ったりで、それほど衝撃は受けなくなっていたのに、でも、このテーマというか、この言葉に引付けられたのは、自分がそれから遠い感じがしていてからだ。母の具合が急激に悪くなってから1ヶ月くらい。入院して退院したが、目が離せなくなっていた。弟が実家に来ていたので、自宅に戻った日に出掛けた。

 

 作品のイメージは、どちらかといえば、穏やかだった。

 荒木経惟の写真を見て、レイノーの作品、福田美蘭、篠原有司男(ダンボールで作ったバイクに乗る女性のような立体も見たかった)の作品もある。

 

 その中で、佐藤時哲の光の残像を使った作品はいつ見ても不思議で何だか透明な気持ちを呼び起こされるようだったし、横尾忠則の作品の印象は強かった。

 

 自分自身が、幸せから程遠かったから、それが作品を見る時に反映されていただけかもしれない。

 

「(前略)しかし新しい作品を創り出すのに否定的な衝動が必要だということであれば、それはそれで奇妙な話です。

こうした視点から、本展においては、たとえば〝幸せ〟というような肯定的な衝動が作品製作の原動力になり得るかどうかを検討します。(中略)

『レノン:画廊の中を見まわしたら、はしごが目に入ったんで、その上に登って、てっぺんから小型望遠鏡でのぞいんたんだ———バカみたいだけどね。そしたら、イエスってぴんときたんだ。あの時期、前衛芸術といえば、ハンマーでピアノを粉々にしたり、彫刻をぶちこわしたりの、何が何でもアンチ、アンチ、アンチの連続だった。どれもこれも退屈で否定的なナンセンスだったね』(ジョンレノン&オノヨーコ インタビュー『PLAYBOY日本版 第68号 81年2月』)

 

 

(1999年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.haramuseum.or.jp