2000年6月3日
今回は、ぴあのプレゼントの応募で初めて当たったものだった。
そして、その展覧会の終りの寸前でやっと行けた。
そして、ギャラリートークが2時から始まるので、それに合わせて、この日は上野から京成に乗った。その時刻表はインターネットで確かめた。
ピカソ、マチス、シャガール、ボイス、クレー、その他、結構、有名どころも揃っている。
マチスは、やっぱり気持ちいい赤は感心する。ただ、近くで見ると、かなり塗りが粗い感じがして、意外だった。それが凄さを増している。
モネの睡蓮の絵。本人が言ったらしい言葉もある。「絵は見る人のものです。それについて何を言おうとその人の勝手です。私は自分の出来ることをしました。」。これ、いいなあ、と思う。
クレーの絵は相変わらず気持ちいいし、ロスコルームは何か、落ち着いていく。
シャガールは、物凄く色がキレイで、でも、よく見ると絵の方は、蛭子能収のマンガの不気味さにそっくりで、改めて感心した。
クレメンテの絵も、よかった。
今回は、ギャラリートークは、広本氏という学芸員。この前、日曜美術館でも見た。
その中で、フランク・ステラの話。
黒く、薄くストライプの入った絵。少し遠くで見ると、ただ真っ黒にしか見えない。
貧乏だった若い頃、ペンキ屋で働きながら、ペンキではけを使って、少し塗り残しの出るように塗っていった。その絵はぼろくそに言われた。そういえば、何かいい意味でおカネがない感じがする。そういえば、若さも感じる。
そして、その絵をただ一人認めたのが、ニューヨーク市立美術館の館長だった。(このへんは、少し不正確かもしれない。)彼は20代で館長になり、その時、すぐに結構、大規模な展覧会を開いた。女性のコレクターが協力してくれて可能になった。館長になり、それから30年くらいたって、ステラの絵を見て、こういうのは見たことがない。でもだからこそ彼にも一度はチャンスを与えよう、といったことを言ったらしい。
それを聞いて思ったのは、その館長もそのスタートで、どんな内情があるか、分からないにしても、でも、最初に祝福されたことは間違いないように思え、だから、本来はもっと守りに入る年令でも、どこか余裕があって、だから、ステラへ関心を持つことが出来たのではないのだろうか。と思った。やっぱり、人は変な苦労をしない方がいいと感じた。
それにしても、この人の説明だと妻は機嫌がいい。確かに、アートが好きなんだなという感じは私にも好感が持てる。
ステラの話も聞いてよかった。と素直に思えるものだった。
美術館のほとんど全ての展示室を使った展示は、うわ、まだあるんだ。と思うほど、たくさんあって満足だった。
来て、良かった。
(2000年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。