アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「私への帰還 ―― 横尾忠則 美術館」。1997.5.31~7.6。神奈川県立近代美術館。

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「私への帰還 ―― 横尾忠則 美術館」。1997.5.31~7.6。神奈川県立近代美術館

 

 鎌倉へ行く。

 横尾忠則。この人の作品には、妙な癖がある。新しい感じがしない。でも、どれを見てもヨコオタダノリだと思うのは、岡本太郎と似ている。

 

 その経歴を見ると、画家宣言をしたのも46歳の時だし、どの絵が新しくて古いのかの分かりにくさといい、ホントにその時、その時で興味を持ったものに集中してきたんだな、と改めて思う。

 

 グループ展などで、横尾の作品を見ると「あ、ヨコオタダノリだ」といつもバカみたいに思う。

 自分、自分、自分の興味。そればかり言っているのに、不思議にエゴイズムの強さをあまり感じないのは、自分自身ではないからかもしれない。

 すでに、そこにあるもの。なんだろうか。大竹伸朗みたいに。

 

 後になって、2001年4月。「美と出会う」。横尾が出てきた時に、Y字路に興味を現在持っていて(それも夜)、写真に撮って、それを描いていた。

 何かものすごく分った気が初めてした。ああいうY字路は地方に住んでいた時にあって、特に夜になると、どこへ通じるんだろうと、不思議な興味をそそられているのをクッキリと思い出したからだ。

 

 つまり、ヨコオタダノリと近い世代の方が、横尾の作品がリアルに分かるはずなのに、見る人は、たぶんもっと若い世代⋯矛盾⋯というか、凄さかもしれない。

 しかし、もし、自分達の世代にヨコオタダノリがいたら、支持するだろうか。もしかしたら、見たくないことが多いのかもしれない。よく出てくる三島由紀夫も、ピンとくる世代には、とてもピンとくるのかもしれない。

 

 

(1997年の時の記録に、2001年の記録を加えました)。

 

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