アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

YOSHIOMO NARA DRAWINNGS:1988-2018 LAST30YEARS。2018.2.9~3.8。カイカイキキギャラリー。

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YOSHIOMO NARA DRAWINNGS:1988-2018 LAST30YEARS。2018.2.9~3.8。
カイカイキキギャラリー。

 

2018年2月24日。

 都立中央図書館にシンポジウムがあって、それが終わってからギャラリーに寄った。思ったよりもたくさんの人がいた。思った以上にたくさんのドローイングがあって、見ても、見ても、たぶん見終わらないのではないか、といったようなことを思ったり、そして、どれを見ても、親しみがあり、見たこともなく、さらには遠かったり、見たことがあるような気がし続けたけど、結局、奈良美智の作品以外では見たことがない、と思った。

 

 それを、30年は見てなかったけど、20年くらいは見て来て、その微妙な変化と、変わらない伝わってくるもの、さらには、本当に描いてきた人、いつも描き続けて来たんだ、というのは分かったような気もした。圧倒的だった。そして、やっぱり魅力的なタッチであって、その人がそのまま出ているような、そんな作品で、本当に見に来てよかった、とも思える。

 

 奈良美智が、ひきこもるようになった理由なども書いてあり、そして、村上隆の文章で、本当に奈良のことを考えているんだ、と感じられたりもした。

 

「今回のKaikai Kikiギャラリーでのレプレゼントによって、奈良美智さんのそのような複雑な想いをどのようにマーケットの中で具現化出来るのかが、テーマであると思っています。具体的に言えば、転売を前提とした業者への嫌悪からの迂回と、今一度、本物のファンとの自然な交流を取り戻せるようにしてゆきたい。そして奈良さんの創造の羽を思いっきり伸ばせるようにしたい。そんな大志を抱いて、Kaikai Kikiギャラリーは奈良美智をレプレゼントし始めます」。

 

 村上隆も、世界のアートシーンで、ものすごく闘って来たはずなのに、こんな文章を書けることが、改めてすごいと思う。

 

(2018年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.nsyard.com