2012年7月30日。
横浜の個展に行き、奈良美智展は見てよかった、とじわじわと思えた。あの質感のびっしりとしていて、その上で変に重くもない感じは、実は他にないものなのだろう、とだんだんと思えてたりもした。村上隆のFM芸術道場で、奈良くんは描けなくなっている、と言っているが、それは絵を描く作業がとても大変なことで、それをこなすような体力などが歳をとって出来なくなっているのではないか、というような指摘をしていて、だから、そのブロンズの製作が、いろいろな人がからんでくるから、いいのかも、みたいな言い方もしていて、そういう時期に、そういう彫刻を始め、それも自分の母校で作業を手伝ってもらいながら、若い人と一緒に作る、ということを通して、それをおそらくはいろいろな力にかえて、作って来た、ということを聞いた。
版画展は、近所のアートギャラリーカフェのオーナーがよかった、と言っていたので、見ようと思った。同じ日の午後に妻が版画展を見に行って、すごくよかった、と言っていて、期待はすごく高まった。
ボランティアのあと、渋谷に寄った。駅からの通路がとても安っぽい感じがしたが、きれいなビルだった。2階のところの目立つ場所にラムフロムがあって、感心もした。タカノ綾のカンバッジも欲しかったが、我慢した。
8階は人が少なく、気持ちもよかった。
版画は、版画と思えないような重量感があった。きらきらしているものを使っているとはいえ、それ以上にきらきらしているように思えた。すごく、こちらへ向かってくる力が強くなっている。作品を作ることで、その力を増している。眼帯をしている少女の版画は、特によかった。妻は、その下の目は開いていると思ったそうだ。100万以上の金額だけど、ホントにお金があったら欲しいと思えた。
すごいや。
自分も、がんばろうと、ベタで安っぽい反応かもしれないが、そう思った。
(2012年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。