1999年12月3日。
美術手帖で、何かを吐き出しているような形のはっきりしない人物像を見てから気になっていた。それは、1ページだけのそれほど大きくない写真だったけれど。
佐賀町のビルの中。このギャラリーは、まだ30代の人が、たぶんきちんとリスクを背負って、やっている。
自分の心のざらざらした感じに、この作家の作品はフィットする。ぼんやりした緑の不安な広がり。じっとして見ていると、妙な安定を、不安に対して、感じてくる。マークロスコ。ブライアン・イーノにもつながる感覚。
坂井淑恵ルームの中で、しばらくぼんやりしていたい。もっとたくさんの作品を見たい。イケムラレイコのことも思い出す。似ていると言われると、本人が最も嫌がりそうだけど。
(1999年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。