「箱庭プール」は、狭いようで、深い表現で、そのことによって、小さめの作品から、静かに「世界」が広がっていくような豊かさと複雑さを感じる。
「以前から、シーズンオフの水を抜いたプールの光景に目を囚われることが多かった。福島原発事故があった年の夏には、子どもたちが泳ぎたくても泳ぐことができないプールがテレビに映し出されていた。ミニチュアのプールを作りたいと思った。安全で守られたプールは、自然の脅威にふれることも、他人の手によって破壊されることもない。気付くとそれは、心に問いかけ、作ることで自分の無意識に触れる“箱庭”そのものだった」(DM。作家の言葉より)。