『君の名は。』ホームページ
2017年1月16日
ずっと見たいと思っていた。ずっと、この新海誠の話は遠くから、でもとても貴重なもののように聞こえていた。『ほしのこえ』というタイトル。そして、とても繊細で、まさに新しい時代の作品、とどちらかといえば、美術の関係者が語るものとして聞こえてきて、その名前は、気をつけないとすぐに蒸発して消えてしまうものとして語られていたようで、そして、その語り方は、私だけが知っているという、よくあるマニアックな喜びとともにあった印象で、そのあとに『秒速5センチメートル』といった映画もあって、それも小規模に見られている、という印象だったから、どちらかといえば、アートシネマだと思っていた。
始まる前に、アイマックスがどれだけすごいのか、という映像が流れ、こんなにハードルをあげて大丈夫だろうか、というようなことを思って、映画がやっと始まった頃には、時間がたっていた。
その始まりも、ホントに深夜アニメぽかったが、何しろ完成度がすごかった。そして、音楽の使い方も的確で、その上でちゃんとハッピーエンドに持っていって、この映画がとても多くの人が見て、と思うと、確かに都会と田舎の両方をきちんと絵にしているので、どちらも肯定していて、生きている若い人間が、決して恵まれた環境ではないのに、基本的には幸せで、そこで、二人が出会う。
最後のほうで、名前が…というくだりは、ちょっと安直というか、それでも名前は忘れない、というほうがすんなり見られそうだったのだけど、それでも、見てよかったし、作りもすごかった。
いろいろと矛盾点とかも考えてしまうけど、報われる話が見たい人が多いのかもしれない。