アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画「君の名は。」。2017.1.16。109シネマズ川崎。

君の名は。』ホームページ

http://www.kiminona.com/

 

2017年1月16日

 ずっと見たいと思っていた。ずっと、この新海誠の話は遠くから、でもとても貴重なもののように聞こえていた。『ほしのこえ』というタイトル。そして、とても繊細で、まさに新しい時代の作品、とどちらかといえば、美術の関係者が語るものとして聞こえてきて、その名前は、気をつけないとすぐに蒸発して消えてしまうものとして語られていたようで、そして、その語り方は、私だけが知っているという、よくあるマニアックな喜びとともにあった印象で、そのあとに『秒速5センチメートル』といった映画もあって、それも小規模に見られている、という印象だったから、どちらかといえば、アートシネマだと思っていた。

 

 その監督が本格的に劇場映画を大規模に作って、みたいな話を聞いたのが、去年の夏頃で、今回も地道に見られると思っていたのだけど、そして、この新海誠という人は、『ほしのこえ』を一人で作り上げた奇跡の人らしく、そいう人にありがちなマニアックな中で生きていくということになると、勝手に思い込んでいたら、この「君の名は。」がウソのようなヒットになった。
 
君の名は。」は評判が大きくなると、非難もされるようになり、その一方で、その映像やストーリーを目にする機会も多くなりすぎてきたので、早く見ないと見た気になるし、あまりにも知りすぎると、見た時に面白さも減ってしまうような焦りもあって、何だか、少しあわてたけれど、年明けにやっと見られた。
 

 始まる前に、アイマックスがどれだけすごいのか、という映像が流れ、こんなにハードルをあげて大丈夫だろうか、というようなことを思って、映画がやっと始まった頃には、時間がたっていた。

 その始まりも、ホントに深夜アニメぽかったが、何しろ完成度がすごかった。そして、音楽の使い方も的確で、その上でちゃんとハッピーエンドに持っていって、この映画がとても多くの人が見て、と思うと、確かに都会と田舎の両方をきちんと絵にしているので、どちらも肯定していて、生きている若い人間が、決して恵まれた環境ではないのに、基本的には幸せで、そこで、二人が出会う。

 

 最後のほうで、名前が…というくだりは、ちょっと安直というか、それでも名前は忘れない、というほうがすんなり見られそうだったのだけど、それでも、見てよかったし、作りもすごかった。

 いろいろと矛盾点とかも考えてしまうけど、報われる話が見たい人が多いのかもしれない。

 

 

 

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