2017年12月3日。
2階席だから、座って見られそう、と思っていたけど、始まったら立たないと見られなかった。そのうちに、恥ずかしいけど、ずっとあおってくる山口のボーカルにつられて、腕をあげていた。言葉も強いし、歌も2階まで届いてくるし、やっぱりすごいんだ、というのと、ずっと本気だったんだ、と改めて感心もした。
途中、山口のMCで、今日は10代から、55歳より上の人も来てると思うんだよな、と話していて、気持ちの中で「当たり」と言っていた。
時々、武道館が、大きな一つの部屋のように思えた。
曲の途中で演奏を止めて、沈黙が続く時があった。かなりの時間に思えた。観客の一人が泣いていたから、泣きやむのを待っていた、といったことを山口が言い、また演奏を始め、歌を歌い始めた。
3時間。3人でずっと演奏を続け、何の飾りもないまま、その熱量は変わらなかった。
彼らも、全員、40歳を過ぎているはずなのに。
終わったあと、頭痛が出て来た。このところずっと体調が悪いから、疲れたのかもしれないが、それでも、行ってよかった。Tシャツも欲しかったけど、ライブが終わった後も並んでいたし、あきらめた。
音楽で君を救いにきたよ。
サンボマスターは、最初から、ずっとそれだけを伝えているのかもしれないと思った。
だから、変わらないように見えて当然だし、同じに感じても自然かもしれない。
そんなきれいごとばかりじゃない、というような思いが、自分の中でも起こるのだけど、サンボマスターは、10年以上、それを続けてきて、何の曇りもないように見えた。
すごいことだった。
ラジオで、テレビで、街中で、もしくは、どこか意外なところで。
サンボマスターの演奏が、山口隆の声が、耳に届く時は、そんなに熱心なファンではないのだけど、その瞬間に「あ、サンボだ」と心の中で言うと思う。
そして、そのたびに、まだ自分の中に、肯定する力があることを、その一瞬だけでも、確認できるはずだ。それは、やっぱりありがたいことだと思う。
『1st日本武道館〜そのたてものに用がある〜』サンボマスター(DVD)