『アウトサイドで生きている』 櫛野展正
アウトサイドアート。という範囲は、思ったよりも広いと感じたのは、定義上は「正式なアートの教育を受けていない」と、アウトサイドアーティストになるらしく、それは、ファインアートの、ある種の狭さを感じさせる話だと思う。
この書籍には、「アウトサイダー・キュレーター」である著者が、
注目しないと、誰かが語らないと、ないことになっていたかもしれないアートが集まっているように思った。
名前と、その特徴を抜き出しただけでも、かなりインパクトがある人であり、作品ばかりだった。
妄想キングダム 遠藤文裕
隠密ツーリスト 熊澤直子 (忍者ぶきみ丸)
昆虫メモリアル 稲村米治
ドローイングデイズ 辻修平 「あさくら画廊」
路上の果て 爆弾さん
極彩色のラッキーハウス 小林伸一
この小林氏には、こうしたエピソードもある。
帰り際に、「これ持って帰ってよ」と沢山のお菓子や全種類の下駄31個、そして、なんとそれまで描きためてきた270枚のドローイングを初対面の僕にあっさりとプレゼントしてくれた。自分の描いた絵に執着はなく、今は沢山の人に見てほしいようだ。そう、今度は僕が小林さんの意志を引き継ぐ番だ。
落書きラビリンス 野村一雄
記憶を包む極小絵画 大竹徹祐
草むらの親善大使 藤本正人
進化を続ける愛の砦 大沢武史