2002年3月3日。
母の病院を早めに出て、夕方の4時頃に着いた。
こじんまりとしているが、綺麗な建物。駅から、少し迷って着いた。たぶん、初めて茅ヶ崎の海側に来た。砂浜っぽいところや、様々な店。山側と比べると、やはり華やかさがある気がする。
「四つの部屋。身体の虚実」。
茅ヶ崎ゆかりの若手アーティストの活動を紹介する第2回目の企画だという。
最初の部屋は棚田康司というアーティストの彫刻。やや粗い削りの人体。わざとザッと塗ったような色。ところどころそこにプラスチック系(FRP)の材質で作った顔を付ける。それも針金だったりもする。人体のところどころにも金属が使われていて、イイ感じになっている。舟越桂の弟子といっていい人らしい。大きいい平面のサメと泣いている赤ん坊の顔という作品もあったりもする。床にぺったりと置いて、その場所が移動して、それで面白さが増していた。作品は、自分自身や家族を象った彫刻と知って、何だか少し感心した。
次の部屋。ただの布のようでいて、妙な気配を発しているもの。材質がブタの腸だった。大森崇の作品。チラシでは「ブタや羊の腸といった光を透過する素材から、身体組織の内包する温かみや優しさを感じさせる繊細な作品を生み出す」という書き方をしていたが、もっと不穏な感じの方が強かった。
岩川幸弘。明暗の内に人の姿が写し込まれた写真などから、身体の内と外、生命と死、などの狭間にある「何か」を提示する、というチラシの言葉があったが、あんまりピンと来なかった。
木村巧。東京山谷地区の浮浪者の寝ている姿を新聞紙でかたどったような立体の作品。1951年生まれ。
思ったよりもよかった。そして、このくらいの小さいのは、疲れないし、じっくり見て、よかった。今度、母を連れてこようと思えた。2階には喫茶店もあるし。もう、この時は閉まっていたけど。
(2002年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。