2013年8月24日。
久しぶりに妻と一緒に美術館に行くことになり、どこに行こうか?という話をした時に、森美術館とどっち?という話をしたら、目黒。とこたえたので、確かに土曜日に空いているとしたら目黒なので、紙をテーマにした展覧会に行くことにする。
目黒までは、30分くらい。近いといえば、近い。車内で食事をした。シールを集めて3個目のエコバッグをもらおうとしているためローソンでサンドイッチを選び、妻はおむすびを食べ、駅に着いてから坂道を下る。
区民プールを通る。けっこう人がいる。プールサイドに横たわっている中年の男性が何人もいる。そこにいる人達はいわゆるバタフライに近い海パン姿でしかももう黒めになっているのにまだ焼いている人達がいる。女性は子ども連れが目立つ。その辺に沿って歩いていって、美術館の入り口に着く。1人600円。65歳以上は割引になる。
空いている。人はぱらぱら。ここの広さも好きだけど、1階の少しの時間しかやっていない喫茶コーナーがあって、まだ午後1時前だから、営業していなくて、まだ食べてないパンなどをそこで2人で食べた。そこから2階に展示室。階段をあがって、展示室に入る前に小さい紙の人物などがある。
展示室に入ると、地球儀と、紙を細く切ってそれを立体にしたであろう器がたくさんあるのが分かる。壁際に小さいプラスチックの箱が並んでいる。その中に「テラダモケイ」が入っている。建築設計事務所で使う小さい人体などを作って、そしてバス停とかコンサートとか、そういう状況まで分かるような部品を組みあわせて小さいストーリーにしている。「ごめんなさい」で頭を下げている小さい紙の人体が、次の「本当にごめんなさい」では土下座体勢に変わっている。ちょっと面白い。そんなようなストーリーこみで、30個以上は並んでいた。メガネをかけてゆっくりと見る。他の展示物にも、その「テラダモケイ」はまぎれこんでいて、上がってくる時には気がつかなかったけど階段にもいたりする。見つけるおトク感もある。
鈴木康広。この美術館でテクノロジーだけど、その仕組みが分かりすく、参加も出来るウインクする落ち葉、の作品が面白くて、その後も空港に、ちょうど空気と同じ重さのビニールを人体の形にして浮かべる作品を作ったりして、すごく気になる作家だった。この日は、白い本が置かれていて、そこにアトランダムに風が吹き、ページがめくれるという作品と、波打ち際をテーマに開いた本の見開きのページに波打ち際が映るという作品が暗い部屋に並んでいた。
それから、紙粘土を使ったキャベツや、木の葉を使った座布団も数学的な作られ方を感じるのに、そこに柔らかさを感じる不思議なバランスがあった。
古い本のページにちょうの絵を描き、それを切り抜いて、ページからちょうが飛び立とうとしている作品。「時間の標本」。植原亮輔と渡邉良重。とびたつ、というよりは、どうしても止まっているように見えて、だけど、作り手は飛び立つ、生まれる、という方向に見せたい、という思いらしく、映像でその瞬間を何度も再現している。
見終わる頃に人が多くなってきた。「テラダモケイ」は欲しい、とも思ったが、1つ1575円で、断念した。ここのところ、少しケチになってきている気もする。帰りにバブーという飲んだことがない炭酸飲料を飲もうとしたら、最初、せんぬきがないと喫茶の人が言っていた。帰り、歩きながら飲んだ。小さいビンはかわいかったので、持って帰って来た。
(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。