アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「美術館まで(から)続く道」。2019.7.14~9.1。茅ヶ崎市美術館。

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「美術館まで(から)続く道」。2019.7.14~9.1。茅ヶ崎市美術館。

2019年8月7日。

 “インクルーシブデザインの手法を用いたフィールドワーク”を元にした展覧会、という言葉がチラシにあると、おもしろそう、という気持ちと、どこか身構えるような思いになった。ただ、卵のカラを使ったワークショップが楽しかったアーティストも参加していた。アーサー・ファン。研究所に勤めるエリートでもあるのだけど、作品もとにかく毎日作り続けているような、興味深い人だったので、それもあるし、どちらにしても茅ヶ崎に行く用事があるので、妻に相談をしたら、一緒に行けることになった。

 

 茅ヶ崎駅から歩いたら、微妙に道が違うと、迷いそうになり、このチラシにあるように“迷路のように楽し”むことは出来なかったが、それでも、着いたら、あと50分くらいという時間で、微妙に焦りもあった。

 

 最初は、原良介。画家。鮮やかな、緑。明るい画面。筆遣いがのこるような、表現主義の流れにあるような風景画。それは、画家の娘である2歳の女の子が歩く道をついていって、描いた絵のようだった。穏やかな気持ちになれる。

 

 アーサー・ファン。卵を使った作品がたくさん並ぶ。茅ヶ崎の駅から、美術館まで、そして海まで歩いて、また戻ってきた、というようなことを元にした作品。それも、車椅子ユーザーと一緒に歩いたり、アーサーと行動を一緒にした人が作品にしたり、とフィールドワークみたいな、アートからアカデミック寄りのものだけど、興味深く、その本は楽しいもので、うっていたら、欲しいと思えるものだった。

 

 地下の展示室。暗めの部屋に細長いテーブルが四角く輪になって並んでいて、スタッフの方が、さわると音が出るんです、といわれ、いくつも並んでいるオブジェのようなものをさわると、次々に気持ちのいい音が出て、さらには、さわっている場所によって、明るさが変わったり、香りも出たりしているらしくて、妻と何周か回って、楽しかった。

 

 隣の部屋は、いきを吹きかけると、音がなる音鈴があって、やっぱり気持ちよかった。その作品は、金箱淳一+原田智弘が製作したという。

 

 タイトルが損をしていると思えた。5感でみる茅ヶ崎、みたいな名前にしたほうが人が来そうな気もした。最後に、おみやげも買おうと思って、前の展覧会のポストカードを買って、そして、カウンターに、道の香りパレット、という作品があると教えてもらって、それは資生堂の稲葉香織という人の作品で、妻と二人で、コーヒーの香りは違うんじゃないか、と思いながら、でも、このパレットを持って、実際に外を歩きたかったとも思った。

 

 期待していたよりも、はるかに充実していて、気持ちいい展覧会だった。ここにもカフェがあればいいのに、とは思った。

 

(2019年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

www.chigasaki-museum.jp

 

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