アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「メルティングポイント」。2007.7.21~10.14。東京オペラシティアートギャラリー。

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「メルティングポイント」。2007.7.21~10.14。 

東京オペラシティアートギャラリー

2007年9月29日。

 こういう空間を変化させる展覧会は現地に行かなきゃ、みたいな気持ちがあったので、行けることになってよかった。

 

 雨がチラホラ降っているせいもあるけれど、いつも行くと感じるように、オペラシティのビルは人がとても少なかった。ホームページで、最終日近くになると混雑します。平日がオススメです。と書いてあって、今日は土曜日だしと内心あせっていたのだが、ギャラリーもスゴくすいていた。

 

 ジム・ランビーの部屋。

 あざやかなテープをはりめぐらしているだけで、その部屋の印象は変わる。その中にスプレーにまみれて、とけたような感じになっているオウム(?)の像が、写真などで見ていたけれど、実物は、それよりもよかった。溶けている感じが、こんなに出ているとは思わなかった。部屋も広く、こんなに広かったっけ?と感じて、カギ穴の立体をくぐりぬけてエンジョイしていた。誰も、他にいない。

 

 渋谷清道。

 白い部屋。フェルトをひいてある床。くるくる回る歯車で作ってある模様。なつかしい形。それを、多用しているが、そのことは、あまりピンとこないものの、靴をぬいで、そして、小さな入り口をくぐって入ると中は高い天井の四角い部屋、その角もとがらないようにフェルトをはってあったりする感じが、そういう細かい積み重ねで、違う空間を作っていて、よかった。一緒に行った文子の他に人はいない。でも、人がいない方が、いいような気がした。

 

 エルネスト・ネト

 ストッキングを使った、勝手におなじみになっているアーティスト。

 だけど、今回は、今までよりも繊細な感じがした。

 床から1メートルくらいのところに一面のストッキング。そこから、何本も突き出てつながって、またストッキングの層を作っている。そして、その中をすごく身をかがめて動いて、あちこちから頭を出すと、また少し違う風景が見られる。石を置いてあって、それでひっぱられて緊迫感が出ていたりする。もっと、本当に部屋一面に、このストッキングの海があればいいのに、と思ったりしたが、妻は、これが一番気に入っていたらしい。

 来てよかった。

 気持ちが少し変わる感じがした。

 

 

(2007年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)

 

www.operacity.jp