2009年12月22日。
義母をショートステイに預けて時間がたっぷりある時にしか、おそらく行
けないと思って、この日に出かけることにした。最初は、7人の写真家が対談するという1月に行こうかと思っていたが、Tシャツを販売するとかラジオをするとか、様々な試みがあるというのも知った。
今年いっぱいでなくなるというウエンディーズにも寄り、そこからさらに歩いて、生田緑地に入る前に妻が好きそうな花屋があり、以前の記憶がなかったので店主の女性に聞いたら、3年前からやっていると知り、ここにそんなに来てなかったんだ、と思う。
常設展の中にも佐内の作品が並べられていて、それは確か「俺の車」みたいなタイトルの写真だったはずで、車の写真が多かったが、それだけでなく、その額にあたる部分のプラスチックをうまくというか、大胆に、岡本太郎の作品の間にきっちりと、それでいて調和していて、なんだかよかった。
そして実際の佐内の作品展の展示では、大きく長い机の上の写真のプリントが並べられ(それは700枚らしい)手にとって見ることも出来るという展示だった。その中に植物の写真があって、それは妻がすごく気にいっていてしばらく見ていたが、私もところどこにすごくいいな、と思える写真があって、それもなんて事ないものばかりで、中にはパチンコのエヴァンゲリオンの画面だけを撮り続けてたような写真もあって、なんだか大胆な人だと思い、でもすごいとも思えた。
確かに、こういう風景は、撮影しておかないと、消えてしまい、記憶の中にぼんやりと残るだけだろうし、みたいな事を思わせるものがあった。
佐内は、自主写真集レーベル「対照」を立ち上げ、写真集を発表してきた、という。そういう事もあって、こうして展覧会をやっているのだろうけど、でも、そういう試みがすごいのに写真が日常的だったりして、そういう事も含めて、なんだか面白いと思え、これからの人なんだ、みたいな気持ちにもなったりする。ただ、手にとれる、というだけなのかもしれないけど、そういう事は、ほぼやられていなかったようにも思う。
それからカフェへ行って、対照をテーマ(?)にしたケーキセットを頼んで、半分ずつ色が変わったロールケーキみたいなものだった。もう一度、ショップに寄り、Tシャツを見て、買うのはやめ、迷ってカタログを買った。展覧会は、。行く前に思ってたのとは違う種類の面白さがあった。行ってよかったし行かないと分かりにくい面白さなのかもしれない。でも、これだけ日常のものを撮影されていると、自分が写真も撮りたい、と思えるし、それは、もう誰もが写真を日常的に撮る時代になっているけれど、それでも、あとになって、じわじわと染みてくるような部分もあった。
(2009年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。
「鉄火 佐内正史写真集」