2012年3月8日。
村上隆のツイッターで、この展覧会を知り、ホームページで確かめて、中野に出かける。セットみたいなごちゃごちゃしたビルの4階のシャッターが締め切られているスペースが目立ち始めて、これ以上は行っちゃいけない、という気持ちになった頃、すみっこのスペースにこのギャラリーはある。
佐藤玲が、片付けをしたりした中で、これまで大事にしてきたものを展示してある、というシンプルな構成になっている。入り口には本人が描いたほんわかした絵があるが、それは本気で描いたんだろうな、という気配がある。それぞれに、その「モノの言われ」が、半透明の紙で包まれたカードに書かれてある。説明が必要な人は読めばいいが、必要なければ視界の邪魔にならないように、というような配慮だと思う。オバQのキーホルダーがあったり、あああれか、と思うようなモノがあったりする。それは、まだ20代の佐藤と、自分が1世代上という年齢差だと思うが、このアーティストの選ぶ目が、子供の頃からぶれていない、ということが分かり、なんだか微妙なうれしい気持ちになる。
本人が嫌われにくい存在で、それがこうした展覧会に、すごくプラスになり、この展覧会を見たことで、このアーティストがより身近に感じ、好感度があがる、ということになっているから、このお宝屋さん展は、よく出来ていると思う。このスペースは、前回来た時は、狭いと思ったが、今日はちょうどいい、というより、逆に広く感じた。
(2012年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。