アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

写真新世紀。2013.10.26~11.17。東京都写真美術館。

f:id:artaudience:20210825103616j:plain

写真新世紀。2013.10.26~11.17。東京都写真美術館

2013年11月15日。

 携帯も持っていないが、何人かのツイッターは日常的に見てる。椹木野衣ツイッターに、今回の写真新世紀展のことが出ていた。今年の夏も、ここで高木みゆという写真家を知り、写真展を見に行って、そこは面接を受けた会社のそばで、2回も見に行った。写真の力とその一方での冷静さみたいなものにも感心したが、その写真家は20代でまだ大学生の女性だった。今回、椹木野衣が選んだのも、高校3年生の女性だった。

 

 午後3時過ぎ。学校帰りの高校生といっしょの時間になり、駅までも電車の中も、学生がたくさんいた。目黒に出て、写真美術館に行く。目黒駅で急に歩こうと思い地図を見たのにまったく違う方向へ向かっていて、一度駅に戻り、小雨が降るような暗い灰色の空の下を20分ほど歩いて着いたら家を出発してから1時間くらいたっていた。

 

 地下1階。入場無料。入り口からすぐそばに、見たいと思った写真が並んでいた。安藤すみれ。学校のイスに座って、ミニスカートをつかんでいる腰から下だけの写真。その次にイスだけの写真。こっちを向いているメガネをかけた本人の姿。ナルシシズムはあるのだけど、もっと冷静な感じ。自分を素材として扱っている気配。

 

 口が大きく開いていたり、暗い中で、おそらく裸で叫んでいたり、いわゆる「イタイ」瞬間ばかりと言ってもいいけど、だけど、そんな瞬間を残そうと思ったら、今、現役で迷ったり困ったりしている人が残す以外はなく、だけど、そういう人であっても、実際に撮影しようとした瞬間、そこから遠ざかり、ちょっとカッコをつけてしまったり、ということになりそうなのに、ここには、そういう「イタさ」がそのまま映っているような気がした。あとで見たら、遠隔操作で自分で写しているそうだけど、ウソがなくてよかった。

 

 何かがむきだしで、まだ何だか分からなくて、それでいて、造形としてはかわいいような生き物に近い感じというか、そしてエネルギーがあり、まだ先もある。それは、どこかうらやましさもある。

 

 あとは、去年のグランプリの人の個展みたいなものも、その会場内で行われていたり、他の作品もいっしょにファイルも置いてあったりして、見応えがあった。

 無料はありがたかった。ミュージアムショップにも行った。ひたすら写真集などを見ている若い女性もいた。

 

 

(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

 

amzn.to