1999年12月1日。
マックスマーラーを知らなかった。
場所を聞いた。それはとても大きくメジャーなファッションビルらしいが、そして近くに行ったら、これ知らないと言われたら、そりゃ困るなというくらいの分かりやすさだったが、知らなかった。
その隣の、コンクリートのビルの中。
青かったり、ぎざぎざだったり、でもきれいだった。本などで見た時と同じ印象の、クールな感じの作品が並んでいる。
でも、気持ちよかった。
宇宙な感じ。ラジオか⋯。子供の科学の通販でゲルマニウムラジオを買って、コイルを巻き、微かに聞こえたラジオの声。通販なのに、切手を送って、そのままになっていた切なさ、それも誰にも言わなかった。
そういう時の気持ちが、蘇ってくるせいで、この人の作品が妙に気になるのだろうか。
単なるノスタルジーとも思えなかった。
(1999年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。