アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画「セッション」。2015.4.30。TOHOシネマズ川崎。

映画「セッション」公式サイト

http://session.gaga.ne.jp/

 

2015年4月30日。

 ラジオのライムスター宇多丸さんの番組で、この映画の話をしていた。自分が知らないところで、ジャズミュージシャンと、映画評論家の論争があったようで、それも映画が公開するまでの間に、そのような事があるなんて、珍しいな、と思いながらも、ラジオを聞いて、出来たら見たいと思ったのは、そういう論争を含めて、映画を見てから読んだほうがいいというような話を聞いていたせいもある。
 

 もしかしたら、川崎では初めての映画館かもしれない。

 ダイス、というビル。駅を降りたら、さいか屋が、今月いっぱいで閉める、というような広告が目に入って、そして、ビルの一番上にシミが見えて、ものすごく古くも見えて、だけど、30年くらい前に初めて販売の仕事をして、このビルにも助っ人の販売員としてやってきたことがあって、なんだかなつかしいけれど、その建物がそのままあるのと、なくなるのと、やっぱり見た時に自分の気持ちが変わってくるのだろうな、と思った。

 

 映画館は、傾きがけっこうあるから前の人の事が気になりにくい設計で、とてもありがたかった。そして、二人席だから、気持ちがゆったりとして、今度来る時は、妻と一緒に来て、見たいと思った。

 

 映画が始まると、音楽が途中で止まるシーンが多かった。
 鬼のような指導者が、すぐに止めて、どなって、怒って、考えたら、とんでもなくひどい事を言っているのだけど、腕はいいことになっていて、そして、主人公も楽しい、とか、そういう事よりも犠牲が多い方が偉大になれる、というような「信念」にとりつかれているようで、それは、なんだか無茶苦茶な感じもしていたが、でも、目がはなせなかった。
 
 いろいろな事が進んでいって、そして、彼女が出来たのに、別れたりして、それも、自己満足な感じもあって、追い込まれていくのは分かる。途中で、突然、本当に分からないように、予感はあっても、ちょっとびっくりするようなタイミングで交通事故にあったり、そこから、また話は進んでいって、最後は、訳が分からないくらいの自己陶酔になるのだけど、その前の段階では、ちゃんと音楽を自分でひっぱったうえで、みんなで音楽を作っているような感じになっていたのに、と思いながらも、だけど、たぶん体は動いていた。集中して見られたのだと思う。見ていて、体が反応するような映画だった。
 

 そのあとに、論争を読んで、どちらも読んだ時は納得してしまっていた。だけど、見てから読んで、よかったと思った。ある意味、いじめを、つまりはハラスメントを描いた映画、と考えたら、それはそれで、やっぱりすごいのではないか、と思い、見てよかった映画でもあった。

 

 

 

映画「セッション」Blu-ray

https://amzn.to/3y38LzY